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大切なことは「YAWARA!」で教わった:2021年9月5日(国民栄誉賞の日)

「国民栄誉賞」という賞があることを知ったのは浦沢直樹さんの漫画YAWARA!だった。

柔道の才能を持ち、幼いころからの英才教育を受けていたが、「普通の女の子になりたい」という願いを持つ主人公・柔(やわら)の柔道と心の成長、人間模様が描かれた名作漫画で、同時期に日本の柔道界では谷亮子選手が活躍したことでも大きな話題になった。
小学生のころには「YAWARA!」のアニメが放送されていて、テレビの前で夢中で観ていた。

9月5日は国民栄誉賞の日。昭和52年に通算ホームラン数756本で世界最高記録を作った当時37歳の王貞治選手に対して、日本で初めて国民栄誉賞が贈られた日だ。
国民栄誉賞は、日本の内閣総理大臣表彰の一つで、前人未到の偉業を成し遂げ、多くの国民から敬愛され、夢と希望を与えた人に贈られる賞で、近年ではフィギアスケートの羽生結弦選手、将棋の羽生善治棋士、女優の森光子さんらが受賞されている。

漫画「YAWARA!」の中で、柔の祖父であり師である猪熊滋悟郎の悲願は、孫の柔が国民栄誉賞を受賞することだったけど、対する柔は「普通の女の子になりたいの!」と言って滋悟郎の思い通りになかなかならない。
ただ、滋悟郎も柔に対してする行動は「良かれ」と思ってしていることが多く、結局柔が心から希望する大学や就職先も最初は反対しながらも、最後にはきちんと認めている。

「YAWARA!」は柔道のシーンやライバルたちとのやり取りなどももちろんワクワクするのだけど、柔や周囲の人たちの恋模様や人間関係も読んでいて面白い。

そんな「YAWARA!」の中で出てくるキャラクターで最近好きになったのは加賀邦子ことカメラマンの邦ちゃんだ。

子どもの頃は、柔と松田の仲を邪魔したり、わざと柔の心を揺さぶったりと、出てくるたびに「嫌いだなぁ」と思っていた邦ちゃんだったけど、大人になってもう一度邦ちゃんを見ているとなんだか可愛い。

よく言えば一途で仕事も好きな人のためか?一生懸命しているし、何よりも引き際とその後の行動を見ていて「いい女だな」と思った。

漫画「YAWARA!」の好きなところは、登場人物がすべて最後はそれぞれで幸せになるところだ。
最終巻の29巻は今までの集大成ともいえる。
それぞれの人生を歩いていた柔の高校生時代からの登場人物たちの想いがひとつになって、柔を心から応援するシーンは胸が熱くなる。
決してみんな順調な人生とは言えない人もいたけれど、柔の姿を見て奮起し、涙をしながら夢と希望を思い出すのだ。

国民栄誉賞は「夢と希望を与えた人に贈られる賞」だ。

漫画「YAWARA!」は、全編を通して夢と希望を与えてくれる。

アニメ版のオープニングテーマである永井真理子さんの「ミラクルガール」を聴きながら、もう一度「YAWARA!」を読み返したくなった。

Miracle Girl
奇跡はいつでも君のハート次第
Miracle Girl
瞳の願いはいつか叶うはずよ

むなしさってことに惑わされないでいてね
目に見えるものがすべてと言わないで..


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