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ガストロミーとブランド戦略

現在、大学で「ブランド戦略」という講義を受講している。
ブランドとブランディングとは何が違うのか?
そこから始まり、ブランドアイデンティティ、ブランドレラバンスなどを興味深い事例を通して学んでいる。

講義も終盤で、最終課題に取り組んでいるところで、資料を調べていたら面白い論文があったので、ブランド戦略の内容ではないけれど、メモ代わりに下記に引用。

 第一に、「ガストロノミーは地域の食とその関連産業からなる総体的な体系であり、経済、文化、社会的要素を含んだある種の地域システムである」と述べ、ガストロノミー、すなわちフードツーリズムが地域のシステムであり、旅行者側の視点でなく地域の視点で捉えている。
 第二に、「ガストロノミーを基礎概念とする地域開発には、ガストロノミー形成のための多様なパートナーシップとネットワークが必要」であると、地域内外での連携の重要性を述べている。
 さらに第三に、「ガストロノミーはヘリテージ(遺産)を開発し、維持し、促進する力と見ることができる」とし、食文化を文化遺産とみなし、継承されるものとし、「地域にガストロノミーを追求することが新しい産業システム、文化システムを構築する地域の再生へと繋がる」と述べ、地域と「食」の関係性の重要性を述べ、「フードツーリズムの開発には、このようなガストロノミーの概念と体系が必要である」とも述べている。
【引用元】
地域アイデンティティを核とした持続可能な観光資源の高度な活用プロセス
-スペイン・バスク自治州サン・セバスチャンのガストロノミーを事例として- 小畑博正

インバウンド業界(というとかっこいいけど、バックパッカー向けの宿経営)も長かったし、地域でも観光協会で活動をしているので、興味のある分野です。

ガストロミーの概念を追求するという視点は、食文化が発達している日本には馴染みやすいと思う。インバウンドにかかわらず、地元の人が、地域で楽しむというローカルツーリズム的な視点。これまでのスタンプラリー的なものではなく、広く文化を取り入れることで形成できると面白いのかな、とぼんやり考えました。

ただし、これは上っ面のマーケティングだけで達成できることではない。サンセバスチャンのような、その土地の歴史を土台としたアイデンティティがあり、それを地域の人がどう愛して、何を伝えいきたいのか、という強い想いが必要ですね。

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