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ヴィーガンは不健康説

プライベートではヴィーガンの食生活をかれこれ10年以上続けている。
途中乳製品や卵を食べていた時期もあったりしたが、3年ほど前から乳製品も卵も自分で買ってまでは食べないようになった。特に卵に至っては嫌悪感が増してしまってもう食べられない。

職業上どうしても食べなければいけないタイミングがあり、もはや修行のような職務義務で肉や魚を口に入れなければいけない時もあるのだけれど(職場では 私がヴィーガンであることを知る人はごく一部しかいない)、もうそろそろそういうのも辞めたいなと感じてきた。

「ヴィーガン」「健康」などのキーワードで検索をすると、ポジティブなものもネガティブなものも両方山ほど出てくる。
日本語で書かれた目立つようなキャッチフレーズ付きのものは芸能人が数年続けたヴィーガンを止めたら健康になったというエピソードや、ヴィーガンをやってみたら体を壊したよという体験談などだ。

ヴィーガンになるということは、小さい頃から選択権なしに親や周りに勧められるがままに食べてきた内容を突然変更するわけだから、当然体は何らかの反応を示すだろうし、
体質によっては本当に合わない人もいるだろう。

自分の健康は自分で守るしかないし、自分の体の状態は自分で選ぶべきだから、
体質や体調をよく観察しながら、自分は何を食べようかなと考えるのはとても重要なことだ。

情報を集め、いろんなことが一周したあたりで、

「ところで、私は誰かの命を奪ってまで長生きしたいのか?」

という問いが頭にポンと浮かんだ。

答えは即答で「いいえ」だった。

ヴィーガンになると寿命が20年縮まり、平均寿命が60代になるという説があるらしい。
肉も食べる食生活では平均寿命が80代とされている。
20年の差は小さいとは言えないだろう。

自分が本当に60代になった時に、
「ああもっと長生きしたかった」と思ったとしても
それは自分が選んできた結末なのだから、すんなり受け入れるだろうとも思う。

仮にアニマル・イーターを80歳まで続けたとして、
「私はこれまで何百万、何千万という動物の命を摂取してきたから80歳でも元気で肌もツヤツヤ骨も頑丈でとっても嬉しい」
とは絶対に思わない自信がある。
自分の代わりに死んでも良い命など一つもないはずだと感じている。

ヴィーガンが健康に良いか悪いかで悩んでいる人は、今すぐ血液検査や健康診断に行き、病院のお医者さんと相談をするのも良いと思う。
ちなみに私が受けた先日の血液検査の結果はヴィーガン特有の不調は一切見られなかった。
先入観を持って欲しくなかったので担当医には私の食生活については伝えていない。
しかし鉄分もミネラルも大変バランスよく、「食生活はとても良さそうですね、このままバランスの良い食事を続けてください」と褒められた。

つまり、どうやら私は動物を摂取しなくてもバランスが維持できる体らしい。

けれど万人がそうではないだろう。
食べることへの執着の度合いによっても、どんな食生活を続けられるのかは変わってくるはずだ。

私が動物を食べるのをやめ始めた時代、ファッションとしてのヴィーガンやマクロビが流行っていた。雑誌やメディアではこぞってヴィーガンスイーツのお店やマクロビの定食が食べられるレストランが紹介され、多くの関連料理本が販売されていた。そしてお察しの通り、おしゃれに流行らせられていたために、無駄に高額なものが多かった。

ヴィーガンやマクロビはおしゃれ女子が傾倒するものという風潮が漂い、私はそれと同じだとみなされることが苦痛だった。

あれから時は経ち、オリンピック開催に合わせて多様な食事に対応するために準備を進めていた飲食店も多く見られた。その余韻からか、そして時代の本質的な変化の影響からか、今ではヴィーガン対応の食品や外食メニューに比較的安価に辿り着けるようになってきた。

例えばこれ


「ALL植物性プラントベースPlant-based」

大豆を使って健康に良さそうなイメージでありながら卵を使っているから意味ないじゃないかと思って避けていたソイジョイに、ヴィーガン認証付きの商品が登場した。

ドラッグストアの目立たないところにひっそりと陳列されていたけれど、
これが売れ筋になって、目立つ場所を陣取るようになる日がくるように願いながら、私は2種類購入した。

味はとても美味しい。
美味しいお菓子を食べるために、鶏卵の悲惨すぎる状況は必要ないと私は思っている。

物が売れるためにはある程度は流行りにならなければ続けられないというのは、資本主義経済の致し方のない部分かもしれないけれど、こういうヴィーガン認証商品の新発売という流れがぜひ長く続いてほしい。

惨劇の血と涙が流れない食べ物がこの世にたくさん増えていったらいいなと願っている。

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