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授業 【シュタイナー教育 音楽 Alexander Kölble氏①耳を澄ます】

この記事では、教員養成コースの音楽について触れています。
音楽の授業は1年半の中で、1コマ80~90分ⅹ5日/週ⅹ計9週間ありました。

https://note.com/marimo829/n/n9a97c22df174
養成コース1、2週間目の授業詳細はこちらへ


音楽の授業の初日は、学校の周辺の散歩から始まりました。 自己紹介も何もなく、一言も話さずに、周囲の音に耳を澄まして、歩いてついてくるように言われました。

連れていかれたのは近くの公園でした。
公園の目の前には道路があり、その近くで全員一旦そこに座り、そこでも静かに、周囲の音に耳を傾けました。 目を閉じて耳を澄ますと、車の通る音や鳥の声、木の葉が風に揺れる音など、鮮明に聴こえます。

その後、公園の中へ移動し、好きな場所に座って、先ほど聴いた音をノートに描くように言われました。 頭ばかり使っていた当時、音を描く?どういうこと?と思ったことをはっきりと覚えています。。
そしてその後、どういう体験だったかを皆でシェアしました。

自然にも人間の身体にもリズムがあるので、耳を澄ませることで、どんなものでもすべて音楽にできる(である)という言葉が印象的でした。

Freie Hochschule Stuttgartは、丘の上に建っているため、Stuttgartの街を一望できます。

次の日も、また散歩に行き、ここで一人ずつ自己紹介をしました。

時には、音楽室の窓を開けて、雨の音を静かに聴くように言われました。
外で起こっていることに耳を澄ます時、自分の中でどのような記憶が思い出されて、どんな感情が生まれたり、創り出されたりするのか。そのことに意識的に注意をむけます。

座禅やヨガと近い、瞑想の一種ですが、個人的にはより積極的/意識的な印象を受けました。

PCやスマホ等、視覚が酷使される現代において、耳を澄ませることの大切さはより高まっていると思いますが、私が日本の公立学校で受けた音楽の授業とはアプローチが異なり、とても興味深いです。


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