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2人組をつくることの苦しさと幸せ。

昔から「2人組をつくってください」と言われるのが苦手だった。

ドラマ「いちばんすきな花」第一話より

今期のドラマで見始めた「いちばんすきな花」。冒頭から分かりみがあり過ぎて、心がずしんと重くなった。

私も幼い頃から2人組をつくるのが苦手だった。だから主人公の一人、ゆくえちゃんの姿はまさにあの頃の私で。先生のあの一言を聞くと、いつもどうしようと心臓がドクンドクンしていた。

ほかにも椿くんが言っていた初対面がいちばん話しやすいっていう気持ちも、紅葉くんのいてもいなくてもいい存在っていうのも、すごくよく分かった。浅く広くというか、心を開いて話せる親友みたいな存在をつくることが私にはできなかった。

でもそんなことを誰かに言えるはずもなく、10代の頃は、ずっとそういう苦しい思いを抱えて生きていた気がする。周りのみんなは当たり前のように2人組をつくれていて、深く話せる友達がちゃんといた。だからそれができない私は、みんなと違うんだ、もしかして少し変なのかもしれないってずっと思っていた。

でも大人になってSNSが普及して、noteなどでも似たような経験や思いを抱えている人がいることがわかって、嬉しかったし少しホッとした。そして、今回のドラマ。こんなに世間に広くみられるような番組でこういう感覚が盛り上げられること、そしてそれに共感する人がいることに驚いた(それでもこの感覚を本当にわかる人は、少数派なんじゃないかなぁとも思っている)。

第一話は、あまりにも自分が感じていたことと似ていて苦しかったし、正直次回を見るのもしんどいなぁとも思った。それでも次も見てみようと考えている。

そう思えるのは、きっとそれが私にとって過去のことだからかもしれない。そう私は今、2人組をつくれている。3年前、夫と出会い結婚して、今は息子と家族3人で仲良く暮らしている。正直、結婚だって難しいかもしれないと思っていた。もしできたとしてもきっと上辺だけの関係で、本当に心を開いて話せる相手にはならないと考えていた。

でもいざ出会って結婚したら、そんなことは全然なくて。私と同じ感覚かというとそうではないから(だってゆくえちゃんがならなかった学校の先生だしね笑)、きっと私みたいな経験はしていない。でもだからこそ、そういった部分を気にしたり、考え過ぎたりすることがなくて、一緒に過ごしやすいのかもしれない。それでいて価値観は似ているから、自然体でいられる存在。そんな人と出会えたことは奇跡だなぁと改めて思った。

幼い頃、あんなに苦手だった2人組。気がつけば、私はいつの間にか大切な人とその2人組をつくることができていた。そしてそれは、想像以上に幸せで楽しいことだった。

だから、あの頃の私に教えてあげたい。大丈夫、そんなに悩まなくても、大人になれば無理して2人組をつくる必要はなくなっていく。そして、そういう意識がなくなって、自然体の自分でいられるようになった頃、2人でいて心から楽しいと思える人たちと出会える日がやってくる。そしてそれはすごく楽しい日々だよ。だから肩の力を抜いて、自分らしく日々を生きていってね。



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