見出し画像

非暴力コミュニケーションNVCについて

 わたしは、”なんとか道”とか”なんとかメソッド”とか、ましてや”なんとか教”に入門したり、協会ビジネス、資格を取ろうとする事、つまり囲い込みに合ったり、一つのことに染まったりする事にかなりの抵抗感を持っています。しかし同時にわたしは、どの”道”もどの”メソッド”もどの”教”にも、教えにもいろんな学びを見出し、必要に応じて、新しいこと、真理につながることを発見しては感動するのです。

 で、今回のテーマ「非暴力コミュニケーション Non Violent Communication NVC」なんですが、出会った時、わたしが小さい時から考えていたことが言語化されていると思って感動しました。

 私が、このメソッドがいいなと思うところは、内容もさることながら、創始者(すでに他界)も本部の人々も、人類全体のための大切な基本的な考えと思うゆえか、囲い込みが少ないと感じるからです。そう感じられるのは、実践している人たち、とくに、トレーナーとして認定された人たちとトレーナーではない人たちみんながフラットな関係になる様にいつも意識されているから、なのではないのかなと思うのですね。

 そして、ネガティブな感情を、他の人のせいにも、自分のせいにもせずに、なぜ持ったかがわかるというミラクルメソッド。
 ここを入り口に自己共感を実践できて、しかも一番大切なこと:”悪”がなくなるという事を体感できるのです。

 ここでは、とても簡単にシステムを説明しようと思います。

まず、結論から言ってしまうと

全ての感情は、
大切にしていることが損なわれるから
湧き上がってくる

これだけなのですが、これを具体的に見ていきましょう。

事例)部下が遅刻ばかりする。
   そのせいで、けしからんと思う。
   何度、注意しても直らない。
   どうしたらいいでしょうか。

この時、なにがけしからんと思う原因ですか?と聞かれたら、ほぼ100%の人が部下、まあ、一歩譲っても、部下の遅刻、となるでしょう。

さて、NVCでは、そうではありません、あなたの中に原因があるんですよ。と言われる。

 言われた方は、

”なんですと💢そんなわけはない。私のせい?!なんですか、自分がそういうことを引き起こす何か空気でも発しているってことですか?私は常識もあるし、部下のことも考えているし、精一杯やっているんです。それを批判されるなんて失礼千万!こんなメソッドが非暴力だなんて笑わせないでください。失礼します!”バタン!

と、彼は戸を閉めて去ってしまう。

という事になるかもしれませんし、わたしも人間関係に困ってきている人にNVCをお伝えしている時に、これに近いメンタリティーをぶつけられた事もあります(もちろん、その人は帰らずに最後まで学んでそのカラクリを理解して生活に応用する事になりますが)。

さて、あなたの中に原因がある、ということのカラクリです。

この話から行くと、

観察される客観的な事実:部下の遅刻
その事実から起こった思い:けしからんと思う

というこの人の中での”事実”が見えてきますね。
 遅刻、というのは、何時、という約束があって、それを過ぎるという事ですから、客観的事実(観察)、といえます(ここでは、長くなるので「遅刻ばかり」の”ばかり”には、言及しません)。

では、”けしからんと思う”ですが、このままでは、感情にはなりません。これは、”部下をけしからんと思う”わけで、部下をという目的語があるからです。NVCでは、何かのことをこう思う、と言う、他に主語があることは感情ではなく、考え、と定義します。NVCでいう感情とは、自分の状態。これは、部下のことをジャッジもしくは評価しているという考えなわけです。

ではこれを自分の精神状態を表す感情の言葉に言い換えるとどうなるかというと、

時間は守るべきだと思っているので
腹立たしい

でしょうか。
でも、さらに数々の感情があるかもしれません。

業務の遂行が滞るのではないかと
不安
顧客に失礼があったらと
心配
自分の評価が落ちるかもと
怖い

など。

すると、感情がこんなにたくさんあるのに、普通、人は、腹立つ、とか、ムカつく、イラつくなどの言葉を使ってそれ以上自分の複雑な感情にアクセスしません。

でも、この方は、その実、部下の遅刻で、イライラする、腹立たしい、不安、心配、怖い、などのたくさんの感情を持っているのです。

 ここまででもまだ、この方のネガティブな感情の理由は部下の遅刻でしょ?って思いますよね。この方のせい、とは思いませんよね。

 確かにNVCでもこの方のせいという風にはなりません。でも部下のせいでもない。誰かの”せい”という発想がないのです。

 じゃあ、どういうことかというと、簡単です。

 この方は、自分の中にある”何か”が、満たされない、損なわれると思ったということなんです。この”何か”というのが一番最初に書いた”自分が大切にしていること”なんです。それをNVCでは、ニーズと呼びます。

たとえば、

”時間は守るべきだ”と思っているので、自分の中に大切にしている《秩序》というものがあるかもしれない。それが損なわれるので、イライラするのです。

”業務の遂行”が損なわれるかも、と思っていとしたら、それは《効率》が損なわれると思っているかもですね。だから、不安になります。

顧客に失礼があったら、というのは、《信頼》かもしれません。それが損なわれるので、心配になります。

自分の評価が悪くなる、というのは、《安心安全》でしょうか。それが損なわれると昇給やボーナスに響きます。なので、怖いという感情を持つかもしれません。

もっといえばあります。それくらい、こんなにも複雑で多岐にわたる思いから、たくさんの感情が生まれてきているんです。でも、この”ニーズ”も”感情”も意識されぬまま、原因は相手、感情はけしからん😤で終了〜となってそれが解決されぬまま、同じ様なことが繰り返されるのです。

もし、この《大切にしているもの=ニーズ》を持っていなかったとしたら、正直、なんとも思わないはずです。だからと言ってそれを持つなというわけではありません。むしろ、持っていることは良い事です。仕事を大切にしていること、日々の糧を得ていること、人の役に立つことなど、悪いことどころか大切なことです。だから、感情が起きる原因はあなたの中にありますが、あなたが悪いのではないのです。

でも、部下が遅刻をしなければ、そんな感情を持つ必要はなく、その部下が変わってくれればいいのに、と思いますね。

たしかに。

 でも、こういう考え方もできます。あなたは、効率秩序評価貢献安全を大事にしている人です。という事は、それを損なわれると、ネガティブな感情にとらわれがちだという事です。そこで、その、じぶんの中で大切にしているものの存在を知っている事によって、何かが起きた時、あ、また私の中の秩序のニーズが損なわれてわたしは不安になっているのだな、と冷静に思えるのです。

 そして、冷静になれたら、どうでしょう。相手に話をする時に、少し心が穏やかになって自分が大切にしていることの話ができるかもしれませんし、何か他の考え方が出てきたり、具体的な対処が選択できるかもです。自分の感情に振り回される恐れが減るからです

 そして、自分は大事にしているものがあるから、そういう行為でこういう感情が起きる、じゃあ、相手は何を大事にしているからこういう行動になりがちなのだろう、と思えるかもです。

 単純に何かに従うのに抵抗感があるのだとしたら、大切にしているのは、自由でしょうか、もしかしたら、夜遅くまでネット上の友達とゲームをしているのかもしれません。だとすると、楽しみでしょうか。もしくは体質的に不健康ゆえ朝起きれないのかもしれません。この場合は、身体的な幸福かもしれませんね。何かしら家族やメンタルに問題があるのかもしれませんし(ニーズ 安定かな?)、仕事が向いていないのでやりたくないのかもしれませんね(能力、自己表現かな?)。

 そんな事に思いが至って、察してあげる事(他己共感)で、問題解決が早まるかもしれないです。自分が自分に充分共感して、自分の大事にしているものを見つけて認識し、誰のせいでもない、という境地に至ることができれば、相手への対応も自ずと変わっていくのです。

 ここに書いたのは、NVCの超基本だけです。これを実践し、実感するには、もう少し情報が必要かもしれません。

 インターネットやyoutubeでぜひ検索してみてください。そして、もし、トレーナーさんやそうじゃない人でもグループを作って学んでいる人たちやオンラインで学べる場に参加して実際に学んで見る機会を持ってみることをお勧めします。

 今、なんでか起こってしまったとってつけた様な”戦争”に一人一人がどう向き合うのか、という事にも役に立つかもしれません。

 世界中にNVCのトレーナーが存在しています。対立や紛争の場で活躍していた、創始者のマーシャルが天国からみなをサポートしてくれているかもしれません。
 でも、ほんとに一人一人が動く、いろいろな考え方を学ぶ、そんなことが本当の意味での

”自分平和の実現が世界平和の礎になる”

ということになるのかもしれません。

 わたしで良ければ基礎をお伝えできますので、ご興味が湧きましたら、ご連絡ください。
 一緒にそれを体感して、実践していきましょう。
お問い合わせフォーム:https://ssl.form-mailer.jp/fms/c3ba0fd0625216

創始者マーシャル・ローゼンバーグの動画
(笑いに満ちたちょっと長い動画です)
https://youtu.be/cj7aR6yxNfg
(カバー画像はこの中からのスクリーンショットです)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?