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日本人の"負け"が近づいてきた

新型コロナウイルスの感染者の増加に歯止めがかからない。重症化する人が増え、自宅療養中に亡くなる人も出てきている。もう既に医療崩壊の状態に入ったと言ってしまっても過言では無いだろう。これまでとは明らかに状況が変わってしまった。

この期に及んで政治の批判をする人がいる。

これは人災だ。政府は何をやっているのか。安倍がああだ、菅がこうだ。オリンピックのせいだ。次の選挙では投票しない。

違う。ぶっちゃけ政治の力なんてもともとたかが知れている。

そんなことより、人間の英知を以てしてもウイルスに立ち向かえなくなりつつあることがとても怖い。日本に住む人々が、非生物に負ける日が近づいている。

状況は変わった

2020年の4月から5月にかけて緊急事態宣言が出されていた。この間は多くの学校が休みとなり、企業活動も制限され、娯楽施設も閉鎖されたところが多かった。

1年が経った今、明らかにまずい状況に突入している。それにも関わらず、人々は昼も夜も街に繰り出し、仕事し、遊んで、行事を消費し、1年前に決めたルールに則って、もしくはそれすらも忘れて、自分の行動を正当化して行動している。

よく自然を前にしたら人間はちっぽけな存在だ、なんてわかったように言われるけれど、今回ばかりはこんなにちっぽけな存在なのかと思い知らされる。存在もちっぽけだが、何より人間の脳が本当に情けないくらいにちっぽけ過ぎる。人間の脳は非常に発達していて高度であると学校で習ってきたが、自分自身の生存に関わる状況なのにそれを守る行動を取れない生物が高度な脳を持っているとなんて言えない。

こんなときにまだ他人の責任だとガーガーわめき散らかすような生物が高度な脳を持っているなんて教科書に書けたものではない。人間と言うのは、自分の命は自分で守るということを忘れてしまった生物なのだろうか。政治が守ってくれると勘違いしているようでは、僕らはミニオンと何ら変わらない。

後の祭り

もう状況は変わった。あなたが宝くじに当たると自分の運を信じて宝くじを買うなら、あなたがコロナに罹らないと信じるのはおかしい。罹っても大丈夫と思っているなら、それは流行初期の知識から更新されていないと思った方が良い。パソコンを1年アップデートしないのが愚かなのは明白である。

でも、もう何をしたところで、たかが非生物に翻弄されている事実は変わらない。自分自身がウイルスすらコントロールできない人類の一員であることが本当に悲しい。ちっぽけな脳しか持っていないこと、人類として立ち向かう術を何も思いつかないことが寂しくて仕方ないのである。

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