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#5 税金をめぐる勘違いを計算してみた

外出自粛が続く中、私はYouTubeの罠にまんまとハマってしまった一人である。滞在時間を引き延ばすSNSのおすすめ力、恐るべし。

そんなことはさておき、先日ホームレスの方を題材にした動画をアップロードしている「アットホームチャンネル」というチャンネルを見つけた。
このチャンネルでは、ホームレスの方の生活ぶりを映すにとどまらず、ホームレス生活をしている背景などを本人が語る様子も動画にされており、考えさせられることの多い興味深い内容となっている。

税金払ってる人間が偉い?

この動画の中でホームレスの方が語る話の中には、彼らや生活保護受給者の人権をふみにじる人に関するエピソードが時々出てくる。

具体的なエピソードはチャンネルの動画を観ていただきたいが、
弱い立場の人を虐げる人の考えの背景として、「オレは税金を納めている。ホームレスは(ほとんど)税金を納めていない。生活保護受給者はむしろ税金を使っている。だからオレの方が偉い」という発想があるようだ。

もちろんこれは非合理的で馬鹿馬鹿しい発想だが、意外と一般的な発想なのであまり笑ってもいられない。例えば、初めて緊急事態宣言が発出した2020年の4月、なぜ学校は休校なのに会社は行ってもいいのかという若者の主張に、「大人は働いて経済を回しているからだ」と反論したくなった方は多いのではないか。
程度は違えど、これでは「税金を払っている人が偉い」論とたいして変わりない。

生活保護受給者よりいくら分偉い?

ということで、「オレ偉い」論に反論するうまい方法はないかと考えた私は、ある画期的な説明法を編み出した。
それは、税金を払っている人は生活保護受給者よりいくら分偉いのか計算してみよう、というものだ。

……どこが画期的やねん ( `ー´)ノ

でもとりあえず計算してみよう。税金や労働に関する知識がないので、かなりざっくりしていてくだらない計算にはなるが、それでも自分の思考を客観視するには十分だ。

まず生活保護費は、「単身者であれば1ヶ月あたり10万円〜13万円の生活保護費が受給できる」ということがわかったので、多めに見積もって一人当たりとりあえず15万円分とした。
次に、税金を主に払っている人は労働人口だと仮定して、この数字を労働人口5000万人くらいで割ると、0.003円となる。

この数字が意味するところは、
「目の前にもし生活保護を受けている方がいたとして、もし、どうしても、こらえきれず、衝動的に、その人を虐めたくなったとしたら、0.003円分だけなら自由になさったらいい」
ということだ。

最後に

今回調べた中で、「千葉県民の労働者の2/5は、払う税金よりも受ける市民サービスの恩恵の方が多い」と書いたホームページを見つけた。
私の計算やこのホームページの概算からわかるように、意外と自分の払う税金で社会に貢献している分は少ない。そうでなくても、立場の弱い人の上に立って自由に振る舞っていいわけがないと、理解してほしいものだ。

人は勘違いの多い生き物である。この例に限らず、自分を客観的に見つめる簡単な手法のレパートリーをいくつか持っておきたい。


最後までお読みいただきありがとうございました。
毎日投稿に挑戦しています。今回は負担軽減のため軽いテーマでしたが、他の記事は自分なりに校正を重ねて投稿しているので、読んでいただけると嬉しいです。

五回書きましたが、やっぱりスポーツネタを書いているときが一番楽しいですね(笑) ということで。
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