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松本人志について

僕は、松本人志のことが好きでも嫌いでもない。
ただ、彼の出演する番組は、見ていることが多い。
別に松本人志を見るためではなく、見たい番組に彼が出演しているということだ。
と言っても、毎週見るのは、「水曜日のダウンタウン」くらいだろうか。
「ワイドナショー」は少し前から本人が出なくなった。
あとは、年に一回の「キングオブコント」や「M-1」の審査員として、また不定期にある「IPPONグランプリ」のチェアマンとして。
そうだ、「すべらない話」も見ている。
年末の「笑ってはいけない」も見ていたが、無くなってしまった。
これを、結構見てるやんと言うのかどうか。

ただ、これらの番組に松本人志が出なくなっても、僕は多分見るのではないかと思う。 
それくらい、好きでも嫌いでもないのだ。

ただ、昨今、若い芸人が、ダウンタウンに憧れるのはいいとしても、松本人志を神様か何かのように持ち上げ、共演した際にはあからさまにヨイショとおべんちゃらの限りを尽くすのは、見ていて気持ちのいいものではなかった。

で、どうして今急に松本人志なのかと言うと、例のアレだ。

もちろん、事実なのかどうかは本人たちにしかわからないし、今後裁判になればそこで判断されることになる。
ただ気になるのは、どうして8年も前のことを今ごろになって、と言う意見のあることだ。
このような問題に関しては、被害者のすべてがすぐに声を上げられるものではないことを、そろそろ僕たちは理解するべきだろう。
このような問題と言うのは、加害者が被害者よりも力が、肉体的にも社会的にも力がある場合、加害者が被害者の生殺与奪の権を握っている場合の性加害、性被害、性犯罪のことだ。
そのような時の被害者が声を上げるのは非常な勇気、自分の今の立場を捨てることになるかもしれない危険を犯すほどの勇気が必要になる。
そして、その決断をようやく下せるようになった時には、何年も、あるいは何十年も経っている。
それは、先のジャニーズの問題を見てもわかるだろう。
だから、今回の件の真偽とは別に、そのような意見の見られたことは非常に残念だし、僕たちはジャニーズの件から何も学ばなかったのかと思ってしまう。

そして、もうひとつ残念なのは、そのような問題であるにも関わらず、松本人志本人は、SNS上で笑いを前提にしたような言説を繰り返したことだ。
本人は、事実でもないことに何でと言う思いもあったかもしれないが、ここはお笑いを忘れて真面目に語るべきだったと思うし、そうして欲しかった。
彼のこのような、笑いにしてしまおうとする態度が、今後の性犯罪に対する社会のあり方に影響を及ぼさないとは限らない。

さて、あらためて、事の真偽はわからないので、ここからは僕の妄想だ。
火のないところに煙は立たないと言うが、恐らく火種のようなものはあったのではないか。
報道されているような言動があったかどうかはともかく、そう言われてもおかしくないような場に彼はいたのだろう。
そして、そのような場にいることは、芸能人としては珍しいことではないのかも知れない。
芸能人に性的なサービスを提供する場をセッティングする人、あるいは組織があって、その人たちはもちろんそうする事によって何らかの見返りを得られるのだ。
ただ、これは芸能界という、ある意味閉ざされた世界のことなので、部外者にはわからない。
芸能人に尋ねても、そんなものはないと答える。
あったとしても、ありますと答えないのは当たり前だ。
それに、本当にないと思っているのなら、それはその芸能人がまだその存在を知らないだけとも考えられる。
その人は、芸能人としてはまだ、そんな場を提供しても見返りが期待できるほどの地位を築けていないだけかも知れないのだ。
昔、芸能リポーターの井上公造氏が言っていた。
「あのですね、これ絶対に言わないでくださいよ。芸能界に清純そうな人はいても、清純な人なんてひとりもいませんよ。乱れきっていますよ」
翻って、芸能人でもない僕たちはどうだろうか。
人に求めるほど清純で、清潔で、真面目だろうか。

まあ、僕は芸能界のそんなところが嫌でアイドルにならなかった。
あ、これは、今年の初嘘です。

追記:こんな記事を書いているところに、松本人志が14日のワイドナショーに出演すると言うネットニュースが流れて来た。
もし本当に出演して、この問題に触れるのならば、笑いにせずにきちんと話して欲しい。
どのような状況であれ、性犯罪は真面目に対処するべき問題であると社会に示してもらえることを願う。
彼はそれだけの影響力を持つ人だから。

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