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誰も得しないデスゲーム!『おとなの事情 スマホをのぞいたら』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:7/7
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】

ヒューマンドラマ
コメディ
電話とメール全公開
不倫
浮気
コンビーフ

【あらすじ】

ある出来事をきっかけに結びついた3組の夫婦とひとりの独身男性。彼らは年に1回集まって友情を育んでいた。

ところが、ある参加者の発言がきっかけで「スマホに届くメールと電話のすべてを全員に公開する」ゲームを始めることに。後ろめたいことは何もないと言いながらも全員がスマホが鳴らないことを祈っている。なぜなら、そこにいる誰もが"絶対に知られたくない秘密"を抱えていたから!

スマホに着信があるたびにパーティーは修羅場と化していき、7人は想像もしなかった"決断"を迫られる!

【感想】

誰も幸せにならないデスゲームが開幕したことで、人間の本音が次々に明かされていくという恐怖を堪能できるコメディタッチの映画でした。先日観た『エマの秘密に恋したら』と同じ「秘密」をテーマにしてはいるんですが、本作は恋愛モノではなく、7人の群像劇。

「たとえどんな秘密があってもあなたはあなた」という綺麗な話ではまったくなく、秘密自体が明らかになることで起こる人間関係の化学反応を楽しむ内容です。

自分のスマホに届く電話やメールを全公開するという生き恥をさらすようなゲームが始まったおかげで、みんなの秘密が次々に暴かれ、人間関係がしっちゃかめっちゃかしていく過程はおかしくもあると同時に、実際にやったら死活問題だなという恐怖もあります。。。

現代においてスマホは持ち主の分身とも呼べる存在であり、気軽にコミュニケーションが取れるからこそ、他人に見せられない自分の"本音"が記録されていますよね。それを第三者の目にさらすという行為は、着ている服を無理矢理脱がされるようで、その場を想像しただけで胃が痛くなるような感覚を味わえます(笑)

結局、人は誰でも秘密があるし、それとうまく付き合えればいいんですけど、みんな自分のことは棚に上げて、人の秘密を平気で非難しますからね。。。ある意味人間らしくはありますけど、そこをうまく描いているなとは思います。

ただ、終わり方が微妙すぎるんですよね。。。あんなにいろいろあったのにそうなるの、、、?っていう。すごく日本人っぽいといえばそうなんだけど、全然納得いきませんでした。。。

そこが“他の国”との違いなんですよ。なんとこの映画、18ヶ国でリメイクされていて、2019年に「最もリメイクされた映画」としてギネス世界記録に認定されているんです。公式サイトに世界リメイクマップがあります。

現在、日本で手っ取り早く観れるのはイタリア版韓国版(アマプラ)、フランス・ベルギー版(ネトフリ)。

日本版を観た後に、イタリア版と韓国版を観たんですけど、イタリア版が圧倒的に面白いんですよ。コメディというより、シリアスなテイストになってるんですが、そのおかげで人間関係が崩れていく様子がリアルに感じられるし、話のテンポもよく、流れも綺麗でメチャクチャハマりました。その上、「きっと彼はアレに気づいてたよね」っていう余韻を残してくれますし、「人は誰でも秘密があるから、遊びに使っちゃいけない」っていう終わり方もメッセージ性があってよかったです。海外版を観たことで、余計に日本版だけ何でああなってしまうのかって感じてしまいますが。。。あの事なかれ主義みたいな、なあなあな感じにしていまうのは、ちょっと消化不良な印象です。

韓国版は細かな違いはあるものの、ほとんどイタリア版と同じなので、観るならイタリア版をオススメしたいです。


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