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タイトル詐欺感が否めない『プロジェクトV』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:72/88
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★☆☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

アクション
コメディ
カンフー
カーチェイス

【あらすじ】

トン・ウンテン(ジャッキー・チェン)によって設立された“ヴァンガード”は、世界中のクライアントにセキュリティサービスを提供する民間の国際特殊護衛部隊。

旧正月を迎えたロンドンのチャイナタウンで、“ヴァンガード”のクライアントである実業家チョン・クォックラップ(ジャクソン・ルー)が誘拐される。チョンを救出するため、トンはヴァンガードのメンバーであるロイ・ジャンユー(ヤン・ヤン)、チョン・ホイシュン(アレン)、ミヤ(ムチミヤ)を派遣する。

一方チョンは、ビジネスパートナーのマシムが実は中東の過激派の首領であることに気付き、ロンドン警察に通報していた。マシムが米軍の攻撃によって殺されると、マシムの息子のオマルはチョンを捕らえるよう命じる。チョンはマシムの莫大な財産の在り処を知っていたのだ。

ヴァンガードに救出されたチョンは、疎遠になっている自分の娘で野生動物保護活動家のファリダ(シュ・ルオハン)も守って欲しいと懇願する。
ヴァンガードはより大きなチームを組んでアフリカへ飛ぶことになるが―。

【感想】

久しぶりのジャッキー・チェン映画ではあるんですが、これはかなりタイトルで煽ってると思いました。正直、邦題はよくないかもしれません。。。(笑)

<『プロジェクトA』とは何の関係もない>

続編かと思って、『プロジェクトA』(1983)および『プロジェクトA2/史上最大の標的』(1987)を事前に観たんですが、なーんの関係もありませんでした(笑)メチャクチャ紛らわしいですね、この邦題。まあ、人に観てもらうためのマーケティング戦略なんでしょうけど、、、結果的に少しがっかりしてしまう人もいると思います。

<ジャッキー・チェンはどこ?>

100歩譲ってタイトルの件はよしとしましょう。ジャッキー・チェンのあのカンフーアクションが観られるならば、、、と思ったんですが、肝心おnそれも少ないんですよ。というより、ポスターではこんなにデカデカとジャッキー・チェンが映っているにも関わらず、作中ではこのポスターから受ける印象ほど、ジャッキーが目立ってないんですよね。どちらかと言えば、ヤン・ヤンとアレンの2人の方がメインのように感じました。

<もはやカンフー映画ですらなかった>

で、『プロジェクトA』を観た後だと、生身の格闘アクションもちょっと見劣りしちゃった印象を受けたんですよ。ジャッキー・チェンの、あの椅子やテーブルなど身のまわりにあるものを利用したアクションや、それらをぶっ壊しまくりながらシュババッって繰り出す攻撃の数々を期待していたものの、彼のそういうシーンはあまりなく、あっても昔ほどのキレもなく(まあ、年齢的に仕方ないとは思いますが)。しかも、途中から銃撃戦やカーチェイスなどが加わり、それもCGが多用されているので、中国版『ワイルド・スピード』とか『007』かなって思っちゃいました(笑)
ヤン・ヤンの中途半端なロマンスも蛇足な感じがしたし。。。

ハリウッド映画の要素が強かったのが、個人的には惹かれなかったポイントですかねー。いや、僕自身そういうのは大好きだし、もちろんこの映画も映像自体はすごかったですよ?ハリウッドに負けまいとするクオリティは邦画より断然スケールが大きいものではあるんですが、『プロジェクトV』って邦題が与える印象とかけ離れていたというのが大きかったと思います。そのタイトルをつけるなら、やっぱりカンフーというか、ジャッキー・チェンの生身の超絶格闘アクションが観たかったですね~。所々、『プロジェクトA』および『A2』へのオマージュと取れるシーンはありましたが(笑)

<体を張りまくっていることに変わりはない>

とはいえ、ジャッキー・チェンも格闘シーンは少なかったものの、それ以外で体はかなり張っていたんですよ。激流シーンでは彼が乗っていた水上バイクが横転し、しばらく浮き上がれなかったという命の危機もあったそうです。それは、エンドクレジットで流れるメイキングでわかるんですが。

いまだに体を張り続ける彼は、やっぱり僕の中で永遠の憧れですね。ただ、わがままを言わせてもらうなら、もう少し彼のカンフーシーンを取り入れて欲しかったです。ジャッキー・チェン自身、第一線を退いて、若手の育成に力を入れているようですが、それなら邦題やポスターはもう少し違うものにした方がよかったのではって思っちゃいました。

カンフーはブルース・リーがその存在を知らしめ、そこにコメディ要素を取り入れて、より広く面白さを伝えたのがジャッキー・チェンだと個人的には思っています。今その次を担っているのはドニー・イェンですかね?


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