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やっべえ家族から義理の娘と孫を連れ戻すサイコスリラー『すべてが変わった日』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:107/169
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

サイコスリラー
サイコパス家族

【あらすじ】

1963年、モンタナ州の牧場。元保安官のジョージ・ブラックリッジ(ケビン・コスナー)は、妻のマーガレット(ダイアン・レイン)、息子のジェームズ(ライアン・ブルース)、その妻のローナ(ケイリー・カーター)、生まれたばかりの孫のジミーと幸せに暮らしていた。しかしある日、ジェームズが落馬して首の骨を折り、この世を去るという悲劇に見舞われてしまう。

3年後、ローナはドニー・ウィーボーイ(ウィル・ブリテン)という若者と再婚。マーガレットはスーパーの駐車場で、些細なことで苛立ったドニーが
ローナの頰を叩いているのを目撃してショックを受ける。心配したマーガレットはケーキを焼いて、ローナたちが住む家を訪ねるものの、3人はすでに引っ越していた。

胸騒ぎを感じたマーガレットは、ノースダコタ州にあるドニーの実家に向かったというローナとジミーを取り戻すことを決意。ジョージと共に車に乗り込み、救出の旅に出るのだった。

ローナたちの暮らす屋敷に住んでいたのは、女家長ブランチ・ウィーボーイ(レスリー・マンヴィル)が暴力と支配欲ですべてを仕切る異様な一家だった。常識が通用しない一家を相手に、マーガレットとジョージは義理の娘と孫を取り戻そうとするが……。

【感想】

タイトルからどんな映画か想像つきにくいとは思いますが、、、身近にいたら即縁を切りたいなと思うやべぇ家族から義理の娘と孫を取り戻すサイコスリラー映画です。

<序盤の事故は物語のきっかけにすぎない>

のどかな牧場で幸せに暮らすジョージたち家族に突如降りかかる不幸。息子が落馬事故で亡くなるんですが、それはこの後起こる悲劇の幕開けでしかありません。問題となるのは、義理の娘が再婚した相手のドニーです。ちょっとしたDV野郎かなって思ったらとんでもない。彼はまだ生ぬるい方で、その家族がとんでもないサイコパス野郎の集まりなんですよ。。。

<言動の節々から感じる様子のおかしさ>

ウィーボーイ一家のヤバさは言葉ではちょっと説明しづらいので、もう観てもらった方が早いんですが、なんていうか、醸し出してる空気感やセリフのやり取りから、「ああ、こいつらホントやべぇやつらだな」ってのが伝わってきます。もともと義理の娘と孫が連れ去られているというパワーバランスも関係しているとは思うんですけどね。。。

まず、ジョージたちの質問には基本答えないんですよ。質問に質問で返したり、うまくはぐらかすので、どんどん不信感が募ります。そして、ジョージたちが屋敷に着いたときにドニーの家族から振られる質問。「なんで車にキーをかけるんだい?」って。「いや、普通かけるだろ」って思いますよね。そこを聞いてくる時点で常識の通じなさが伝わってきます。むしろ、キーをかけてなかったら何かするつもりだったのかっていう不安が。。。

さらに、ようやく孫のジミーに再会し、マーガレットが抱きかかえた瞬間も怖いです。「抱き癖がつくと自分で歩かなくなるからすぐ降ろせ」と詰め寄るドニー。百歩譲って子育てには各家庭の方針があることは認めます。ただ、ここに至るまでにウィーボーイ家はやべぇ家族だって認識が生まれてるので、あらゆる発言に疑心暗鬼しかないんですよ。

<元凶は家族の長であるブランチ>

すべてはここの女家長のブランチが悪いんです。完全に暴力と暴言による家族の支配。もちろん、年老いた女性ですからね、力だけで言えば子供たちの方が強いとは思います。でも、小さい頃からしつけられてきたんでしょう。彼女が絶対みたいな雰囲気があるんですよ。そんな環境で育てられた子供たちも当然暴力と暴言による支配が当たり前になります。だから、ジョージたちに対しても強気かつ自分たちが絶対に正しく、悪いことはしていないという圧倒的な自信を持っています。

<終盤がまさかの展開>

そんな家族から義理の娘と孫を取り戻すのがミッションで、ラストはジョージがやつらに牙を向きます。まさにケビン・コスナーによる"仕返しおじさん"炸裂です。ここは『ファイナル・プラン』や『ドント・ブリーズ2』を彷彿とさせる展開でしたね。

<その他>

他人って難しいなって思います。ウィーボーイ家だって、別に犯罪者ってわけじゃないんですよね。彼らは彼らの常識の中で生きているだけなので。傍から見れば、ジョージたちが家族を奪いに来たという捉え方もできます。とはいえ、ウィーボーイ家はかなり悪質というか、様子がおかしいですけど。ここまでとはいかないまでも、現実にもなんかちょっとおかしな人っていますからね。そことの折り合いのつけ方の難しさを考えました。

この映画、後味はかなり悪いですけど、やべぇ家族の一部始終を観たかったらぜひ(笑)


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