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ワンテンポ早い彼女とワンテンポ遅い彼の時間差から生まれた奇跡に涙する『1秒先の彼女』

【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:62/129
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ラブストーリー
片想い
失われたバレンタインデー

【あらすじ】

郵便局で働くシャオチー(リー・ペイユー)は、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い。

ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった…!?

消えた1日の行方を探しはじめるシャオチー。見覚えのない自分の写真、「038」と書かれた私書箱の鍵、失踪した父親の思い出…謎は一層深まるばかり。

どうやら、毎日郵便局にやってくる、人よりワンテンポ遅いバス運転手のグアタイ(リウ・グァンティン)が手がかりを握っているらしい。そして、そんな彼にはある大きな「秘密」があった。

失くした「1日」を探す旅でシャオチーが受け取った、思いがけない「大切なもの」とは…!?

【感想】

心温まるラブストーリーでした。何でもワンテンポ早いシャオチーと、ワンテンポ遅いグアタイの、一生交わらなさそうな2人の間に起こる奇跡に涙ですよ。

<綺麗に分かれる前後半の構成がよかった>

前半はシャオチーのパートです。仕事も恋もパッとしないアラサーの彼女に、ある日突然訪れるイケメンダンス講師との出会い。久しぶりの恋の予感にウキウキしまくる姿がキュートでした。でも、デートの約束をしたのに、朝目が覚めたら、翌日になってるという不可思議な現象。わずかな手がかりを頼りに、自分の身に何が起こったのかを解明しようと右往左往。

後半はグアタイのパートですね。彼の過去と、そしてシャオチーの身に起こった真実が語られることに。これ書くとネタバレになるので割愛しますが、「時間」を題材にしたラブストーリーってところが、今年だと『パーム・スプリングス』と同じジャンルになりますかね。

<ツッコミどころは多いけれど>

正直気になる部分というか、ツッコミどころはあります。「いや、普通それわかるだろ」っていう感じで。でも、お話自体はよかったので目をつむれるんですね(笑)

全体的にテンポはゆっくりめな印象ですが、知られざる真実がだんだん明かされていく過程や、決して交わりそうになかった2人の運命が交差していく流れは感動的でした。また、初めて「利息」という概念が素敵だなって思えましたね。そしてそれを言ってくれた人物もよかった。人生、忘れていることの中に、大切なことが埋もれているのかもしれませんね。

<その他>

これを言うと失礼かもわかりませんが、ヒロインを演じたリー・ペイユーの「パッとしない」感じがリアルでよかったんですよね、個人的には。いや、けっこう海外のラブストーリーやラブコメって、そういうことあるんですよ。本当に地味めな人を主人公にしたり(もちろんメイクでそうしていることもありますが)、プラスサイズの人をヒロインに持ってきたり、その役にピッタリの人をキャスティングしている気がします。日本だと、ヒロインが一番かわいいってことが多いので、「パッとしない」とか「これといって目立つ要素のない」とかっていう設定でも、顔面偏差値だけ突出して高いから、「そんなわけないだろ」っていつも思っちゃいます。

海外の作品だと、設定によってはヒロイン以上にかわいい人を脇役でバンバン出してくるので、その分ヒロインに対して感情移入もしやすく、面白い作品たりえるんじゃないかなーって思ったりもしました。


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