自分が見聞きしてきたものがすべて詰め込まれた『あした世界が終わるとしても』

2019年公開映画23本中14位。

こんな映画初めてだ。
ある意味衝撃的だった。

いや、面白さで言えば、
よくある中2感あふれる日本アニメということで
「個人的には好きだけど、、、」
というぐらいなのだけど、
ものすごくびっくりしたのが、
まるで空気のような感じがしたのである。

どういうことかというと、
この手のジャンルって、
作った人(主に監督だったり、脚本家だったり)の年齢や、
その人が影響を受けてきた作品などが
色濃く反映されやすいと思っているのだが、
この映画については、
僕自身がこれまで見てきた漫画や映画、ゲームなどの要素が
全編に渡って染みこんでいて、
もしかしたら、本作の監督・脚本を努めた櫻木優平さんは、
自分と近しい年齢で、
見聞きしてきた作品がかぶりまくっているのかもしれない。
(と思って調べたら、1歳違いだったw)

ここまで自分の脳内がそのまま表現されたものは初めてで、
まるで空気のように、生理食塩水のように、
体内に自然と吸収される感覚を覚えた。
面白い・面白くない以前に、もはや自分だと。
最高感度のシンパシーである。

話としては、第二次世界大戦中に
日本軍が密かに開発していた物質転送装置の影響で次元が歪み、
世界が2つに分かれたと。
(『ドラゴンボール超』の第6宇宙と第7宇宙みたいなイメージ)
戦争を忘れた日本と、戦争が続く日本公国の2つがあり、
それぞれに相対する存在がいて、
片方が死ねばもう片方も死ぬと。
絶大な力を持つ日本公国のトップを潰すために、
日本にいるその相対する存在が狙われるという、そんな話。

世界観から設定、構成、キャラ、セリフ、バトルに至るまで、
『ファイナルファンタジー』、『バイオハザード』、
『スター・ウォーズ』、『ターミネーター』などの要素が
ふんだんに詰め込まれていて、
「いや、こういうアニメって大体そんなもんでしょ」
と言われそうだけれど、
違う、それだけじゃないんだよ、、、
言葉では説明しづらいけど、
自分がこれまで影響を受けてきたものの要素が
本当に素晴らしく受け継がれていて、
なんだろう、同じ時代を生きてきた人、
同じ作品を見てきた人同士じゃないとわからない感覚なのかも。

まあ、僕が勝手にそう思っているだけで、
実際に櫻木優平さんが僕と同じ作品に影響を受けてきたのかは、
まったくもってわからないけれど(笑)
いやでも、そうだと思うんだよなあ。

なので、同年代(僕は1984年生まれです)の人には、
何かしら刺さるのではないかと思う。
逆に違う年代の人の感想を聞いてみたいです。

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