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母娘の絆よりも焼肉を推したい『漁港の肉子ちゃん』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:64/114
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ヒューマンドラマ
親子愛
焼肉

【あらすじ】

愛情深い性格ゆえに、これまでの人生、ダメ男ばかりを引き寄せては、何度もだまされてきた母・肉子。とんでもなく豪快で、子供みたいに純粋な母に比べて、しっかりもので大人びた性格の小学5年の娘・キクコ。

ふたりは肉子ちゃんの恋が終わるたびに各地を放浪し、北の漁港の町へと流れ着く。

漁港で途方にくれる母娘の胃を満たしたのは、一軒の焼き肉屋「うをがし」の焼肉だった。妻に先立たれ、店をたたもうとしていた店主・サッサンは、目の前に現れた肉子ちゃんを”肉の神様”だと思い、「決しておなかを壊さないこと」を条件に肉子ちゃんを雇い入れる。こうして、サッサンが所有する漁港の船を住処に、肉子ちゃんとキクコの新しい生活が始まった。

キクコは地元の小学校に転入する。学校ではこの年頃特有の女子グループ間のやっかいな抗争や風変わりな少年・二宮との出会いを通じて、キクコは少しずつ成長していく。

肉子ちゃんの次の恋が終わったら、またこの町を出て行かなければならない。そんな不安がよぎるキクコと肉子ちゃんの大きな秘密が明らかになり……。

【感想】

涙ちょちょぎれる母娘の物語。メディアとかでは明石家さんまが前面に出ているので、てっきり彼の創作か半生に近い話なのかと思ったら全然違いました(笑)普通に2013年に発売された西加奈子さんの小説が原作です。

<展開はオーソドックス>

お話としては、母娘の絆が題材になっているので理解しやすいと思います。ただ、前半はあまり動きがなく、肉子とキクコの日常が流れるのみ。アニメだからこそ画を楽しむことができましたが、実写だったらけっこう退屈だったかもしれません。後半から面白くなってきますね。とはいえ、「まあ、わかってました」っていう展開ですけど(笑)

もう予告からわかると思いますけど、感動系の映画ではあるものの、肉子の顔芸がおかしくて、なかなか泣くに泣けませんでした(笑)

<脇役のエピソードが心に残りやすい>

肉子とキクコのエピソードもよかったんですが、個人的には、キクコの友達のマリアのエピソードの方が印象深いと感じましたね。

小学生女子にありがちな、女子グループのいざこざなんです。マリアがちょっと変革を起こそうとするんですけど、失敗して孤立しちゃうんですよ。それ観てたら社会の縮図かなと思いまして。大人の世界でも革命に失敗して左遷されてしまい、まわりからは腫れ物に触れるかのような扱いを受けるってこともあるじゃないですか。それを小学生の女の子が味わうっていう。なんか辛かったですね(僕自身は幸いそういう経験は今のところありませんが)。

<トトロのオマージュ>

この映画、『となりのトトロ』へのオマージュがいくつもあります。同作を観た人なら、いろいろ気づく点があるかもしれません。それを探すのも一興かと思いました。

<キャストの演技がよかった>


この映画、肉子は大竹しのぶさんが、キクコはCokomiさんが演じられていて、お二人とも専業声優さんじゃないですよね。普段アニメに慣れ親しんでいると、専業声優さんじゃないと不自然さを感じることもあるんですが、今回それがほとんどなかったんですよね。大竹しのぶさんは大ベテランの女優なのでまだわかるんですが、Cocomiさんの声の演技がよかったのは、こう言うと失礼かもしれませんが、ちょっと意外でした。調べたら声優の養成所には通っていたそうですね。とはいえ、ちゃんと声優をやるのはおそらく今回が初めてなんじゃないでしょうか。それであの自然な感じなら、相当に努力されたんじゃないかなって思います。

<焼肉が食べたくなる>

アニメに出てくる料理って、ものすごくおいしそうに見えるときがあるんですが、今回の焼肉もすごかったですよ。これはもう焼肉好きとしてはポイント高いです。厚切りのみすじを焼いてるところがメチャクチャおいしそうで、普通にお腹減りますからね。

<その他>

これ、映画としては全体的によかったんですけど、、、公式サイトをスマホで見ときがちょっとひどくてですね。。。企業のバナーがえげつないんですよ。これだけで作品の世界観がぶっ壊れるほど。まあ、ビジネス的に仕方ないとは思うんですけどね。映画本編とは関係ないのであれですが、これはもう少し見せ方あったんじゃないかなーって思いました。


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