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盲目じーさんによるスプラッターなリベンジ映画『ドント・ブリーズ2』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:101/167
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ホラー
スリラー
スプラッター
アクション
盲目の老人

【あらすじ】

人気のない郊外の古びた屋敷に住む盲目の老人。彼はその屋敷で1人の少女を大切に育て、2人だけで静かに暮らしていた――。その男こそ、8年前に強盗に押し入られた被害者ではあるが、実は強盗団を惨殺した過去を持つ、あの盲目の老人だった…。

ある日、謎の武装集団が老人の屋敷に静かに忍び込む。その目的は少女――。暗闇の中、家の内部構造を全てを知り尽くした老人は、屋敷内で全員の抹殺を試みるも、訓練されていた敵には歯が立たず、火を放たれる。命からがら炎の中から逃げ出したが、そこに少女の姿はない。老人は己の手で大切に育てた少女を取り戻すため、武装集団の後を追う…。

老人は無事に少女を助け出すことができるのか。

【感想】

前作から5年。まさか続編をやるとは思っていませんでした。今作ではスリルだけでなく、スプラッターも楽しむことができるんですが、前作と比べると、けっこう方向性が変わっちゃったので、そこは好き嫌い分かれそうだなと思いました。

<前作との違い>

前作は、盲目老人の家に強盗目的で忍び込んだ若者たちが返り討ちに遭う話です。音を立ててはいけないという制約ありの状況の中、急に出てくる老人にビビりまくりましたよ、僕は。BGMの使い方もまたうまくてですね、「静」の中に潜む恐怖を増大させる形で、とても秀逸な映画だと思いました。

一方今作は、前作のそういうよさもやや残ってはいるものの、基本は取っ組み合いのバトルがメインの印象でした。家の中で所狭しと殴り合う構図は、もはや『ドント・ブリーズ』シリーズじゃなくてもいいような気さえします。ただ、満身創痍になりながらも敵をフルボッコにしていく流れは若干『Mr.ノーバディ』に近しいものはあるかなーとは思います。世界観はまったく違いますけど。

<老人の盲目なのか怪しいぐらいの強さ>

前作はその設定の秀逸さに感心しましたが、今作ではそのネタはすでにわかりきっています。なので、老人のキャラクターがどんなもんかという方向に注目がいきますね。それでいうと、もうこの老人、強すぎるのなんのって。目が見えない分、聴覚が発達しているんでしょう。音で敵の位置を察知するものの、かなり正確な位置まで把握するんですよ。攻撃のヒット率の高さが異常で。「いやもう見えてるだろ、それ」って。「もはやデアデビルかな」って。前作では恐怖の対象でしたけど、今回は老人を応援したくなりますね(笑)

<ホラー寄りが好きかアクション寄りが好きかで分かれそう>

個人的には、前作の設定の秀逸さを踏まえると、今作は普通の映画になってしまった印象があり、残念っていうとやや乱暴ですが、あんまりハマれなかったですね。これ、今年の最初に観た『新 感染半島 ファイナル・ステージ』のときのような感覚です。これも前作は新幹線内の密室空間でゾンビから逃げ惑うという設定が面白かったんですけど、その続編は普通にゾンビと戦う『バイオハザード』的な映画になってしまったので、これもこれで割とオーソドックスなものになってしまったなって思ったんですよね。なので、この『ドント・ブリーズ』シリーズも、ホラー寄りが好きなら前作、アクション要素が強い方がいいなら今作って感じかなって思いました。

<その他>

まだ続編作る余地がありそうな終わり方でしたが、もし次を作るなら、時系列を遡って1作目の前日譚の話を観たいんですよね。あの老人が娘を失うエピソードを映画化して、彼の怒りを実際に目の当たりにすることによって、彼が少女に固執する背景を理解した方が、このシリーズ、もっと楽しめるような気がします。

今作も別につまらないわけではないので、ちょっとヒヤッとしたいなら観てもいいかもです!


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