架空

なんてことない女子トークをここまでのエンタメに昇華できるバカリズムの凄さ『架空OL日記』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:18/43
⠀ ⠀ 笑い😂:★★★★☆
⠀ ⠀ 共感😊:★★★☆☆
シュール🤔:★★★★☆

今度はバカリズム"様"ですわ。彼の才能とセンスに脱帽です。。。

【どんな映画?】

元は彼がOLになりきって架空の日常を綴ったブログが始まりらしいです。
これかな、、、?

本当に、OLの日常をただただ映していくだけの映画です。

【感想】

だから、最初は全然面白さがわからなかったんですよ。物語の基本である、主人公には目的があって、それを阻む障害があって、何とか乗り越えて当初の目的を達成するっていうのがないんです。

単に「月曜日って憂鬱だよねー」、「てか、あいつマジウザくない?」みたいな、第三者からしたら本当にどうでもいいような女子トークがつらつら続くだけ。そもそもバカリズムがOLの格好して場になじんでるのも意味不明だし、この後どうなるんだ、、、って思ってたら、、、ハマってました。。。

同じ職場のOL同士の話だから、基本は会社の愚痴がメインなんですけど、よくよく聞いてると「これ、現実にもあるあるな話じゃないか?」と思い始めて、共感度が徐々に高まってくるんですよ。

もちろん、僕は彼女らの業務(銀行の一般職)をやっているわけでもないし、世の中OLばかりでもないけど、彼女たちの話って自分の身のまわりにも置き換えられそうな事象がけっこうあって、それに対してバカリズム独特のツッコミやコメントが入るから、妙な楽しさを覚えるんですよね。

このOLたちの生態や会社での日常ってのは日本独特のものだと思うので、おそらく海外の人には理解できないのではないかと思うんですが、日本人ならほとんどの人が共感できるかと思います。

「朝礼でいつも立ってるところに違う人がいるとムカつく」とか、「給湯室のスポンジに泡が残ってるのが嫌だ」とか、「会社の便座は汚いからいつも腰浮かせてる」とか、「バレンタインでチョコあげたら“そっちも大変だね”と歩み寄ってくる言い方がウザい、素直に受け取れるバカ」とか、文章で書くとまったく面白さが伝わらないと思いますけど、そんな彼女たちの愚痴と、それに対するまわりのあーだこーだっていう掛け合いがすごくツボるんですよ(笑)
まあ、僕自身が女っぽいところがあるからかもしれないけど、彼女たちの話はかなり楽しく聞けました(笑)

おそらく、彼女たちの会社でしか通じないような話がなかったのがよかったんですよね。観ている人みんながわかりそうな最大公約数的なところをうまく抽出しているのがいいのかと。
そして、そんな大したオチもない女子トークをここまで面白い映像作品にできるバカリズムの才能とセンスが凄まじいです。


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