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メイドカフェと三味線に青春を捧げたオール青森ロケの『いとみち』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:103/128
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ヒューマンドラマ
青春
三味線
青森
メイドカフェ

【あらすじ】

青森県弘前市の高校。そこに通う相馬いと(駒井蓮)は、この世代では珍しく激しい津軽弁で、みんなから笑われる。訛りと人見知りで本当の自分を見せることができず、友人もいない。得意だったはずの津軽三味線も気乗りせず、弾かないままずっとしまい込んでいる。

そんなもやもやした日々を過ごすいとが意を決して始めたのが、なんとメイドカフェのアルバイト!五能線と奥羽本線を乗り継ぎ、"大都会"青森市へ。津軽メイド喫茶店には、やたら丁寧な店長の工藤優一郎(中島歩)、強気なシングルマザーの葛西幸子(黒川芽以)、漫画家を目指している福士智美(横田真悠)がいた。

いとはメイド服がばっちり似合って喜んだものの、決め台詞が言えない。「お、お、おかえりなさませ、ご、ごすずんさま!」。オーナーの成田太郎(古坂大魔王)の不気味さにビビりつつも仕事に励むいと。

しかしある日、テレビのニュースで成田が逮捕されたことが報じられ驚愕する。突然のメイドカフェ廃業の危機にいとが立ち上がった。

「わあ、好ぎだ人たぢど、ずっといっしょに働きてえです。まんだいっぺえお客さんさ来てもらいてえんです。三味線弾がせでください!」

【感想】

もはや青森県のご当地映画でしたね、これは。オール青森ロケで、セリフのほとんどは津軽弁ですから。

<ストーリーは至ってシンプル>

お話はオーソドックスな高校生の青春物語です。激しい津軽弁で友達のいない主人公が、心機一転メイドカフェでバイトして三味線弾いて、自分を出すっていう流れなので。僕自身、こういう話は好きです。正直、タイトルやポスターではまったく惹かれなかったんですけど、こういう映画ほど意外と中身がよかったりするんじゃないかっていう期待もありました。ですが、、、なぜかほとんどハマらなかったんですよねー。各レビューサイトでは高評価もかなり見受けられますし、その理由もわかるものの、、、僕の口には合わずでして。けっこう気になるところが多くて、そっちに気を取られてしまったってのはあると思います。

<気になったところ①:津軽弁>

まず一番大きいのは、セリフが津軽弁だったことで、何を言っているのかわかりづらいことです。もちろん、前後の関係で意味は通るんですが、セリフそのものは聞き取りづらく、耳に入ってこなかったっていう。これは津軽弁自体を否定しているわけではないですよ!でもやっぱり聞き取りづらいのは事実なので。。。

<気になったところ②:アルバイトの動機>

次に、いとがアルバイトを始めたきっかけが弱かったかなって思ったんですよね。本当にたまたま見つけただけなので、メイドカフェは。例えば、友達から何か言われたとか、悔しい思いをしたとか、そういうのが明確にあった上でのあの行動ならわかるんですけどね、もやもやした気持ちを吹っ切るためだけに、メイドカフェに行くか?って思いました。

気になったところ③:早苗との友情>

友達の早苗(ジョナゴールド)といつ仲良くなった、、、?っても引っかかるところでした。ただ通学の電車がいっしょってだけで、それ以外の接点がないのに、親友みたいになってるのに違和感あります。

<僕自身の好みの問題>

これはもう個人の好みなので、これを目にしている方からしたら「知らねーよ」って話でしかないんですが、、、この映画が“個人プレイ”っていうのも、僕の中でハマれなかった理由かもしれません。結局、メイドカフェの仕事もまわりと協力するようなところはなかったし、三味線に関してはいとがひとりで完結させてたんですよ。

僕はこういう青春系の映画では、『ウォーターボーイズ』や『チア☆ダン』みたいに、スポーツかつ集団競技で、仲間との対立を乗り越えて最後に勝利をつかむっていう、スポ根系のものが好きなんですよね。実際そんな綺麗なチームプレーなんてありえないんですが、だからこそ、そういう夢物語を観たいなっていう願望があるんです。

<三味線のシーンは必見>

散々否定的なことばかり言って申し訳ないですが、ラストでいとが三味線を弾くシーンは圧巻でした。すんごい練習したんだろうなー。ちなみに、おばあちゃんの三味線もすごいんですが、この方は三味線界では有名な方のようですね。

<その他>

本編とは関係ないんですが、店長を演じた中島歩さんって、明治時代の小説家の国木田独歩の玄孫らしいんですけど、声としゃべり方がものすごく竹野内豊に似てるんですよ。もし観る方がいたらチェックしてみてください(笑)


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