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感動の逆転劇『ローズメイカー 奇跡のバラ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:25/98
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ヒューマンドラマ
スパイ

バラ農家
逆転劇

【あらすじ】

フランス郊外。あふれる才能と魔法のような指で新種のバラを開発し、数々の賞に輝いてきたエヴ(カトリーヌ・フロ)。だが、数年前から巨大企業のラマルゼル社に賞も顧客も奪われ、亡き父が遺してくれたバラ園も今では倒産寸前に。

助手のヴェラ(オリヴィア・コート)が何とか立て直そうと、職業訓練所から格安で前科者のフレッド(メラン・オルメタ)、定職に就けないサミール(ファツァー・ブヤメッド)、異様に内気なナデージュ(マリー・プショー)を雇う。しかし、3人は全くの素人で、手助けどころか一晩で200株のバラをダメにしてしまう。

そんな中、エヴに新種のアイディアが閃いた。交配に必要なバラがラマルゼル社のバラ園にしかないと知ったエヴは、フレッドにある“特技”を披露させる。

パリの新品種コンクールまであと1年、はみだし者たちの壮大な奮闘が幕を開ける──!

【感想】

タイトルからオチは想像できてしまいますが、その過程がとても感動的で面白い映画でした。

<斬新な設定>

倒産寸前からの逆転劇というオーソドックスな流れではありますが、舞台がバラ農家というのが新しいですよね。あんまり聞かなくないですか?レストランとか会社とか、そういうのはよくありますけど、バラ農家って。しかも、バラには数多くの種類があり、品評会があり、交配のやり方や収穫スケジュールまでわかるので、バラの勉強にもなりました(笑)

<ストーリーよりもキャラクターに注目>

どん底からの復活ストーリーというのは感動や爽快感を伴うので、個人的には映画でもドラマでも好きなジャンルです。その王道ストーリーを盛り上げるのに一役買っているのが、前科者のフレッド。彼は主人公のエヴ以上に注目すべきキャラクターに仕上がっています。

倒産を避けるための秘策として、バラの新種開発しか残された道がないのですが、あらすじにもある通り、それに必要な材料はライバル企業が独占しています。とはいえ、もうなりふりかまってられないので、ここでフレッドのある“特技”に頼らざるを得ないと言うのが笑えるんですよ!フレッドは更生のためにバラ農園で働いているのに、意味ないじゃんっていう(笑)

さらに、彼には悲しい過去を背負っている反面、驚くべき才能を持っているという相反する2つの背景があります。人生どん底かと思いきや、そこから這い上がれるチャンスを残しているのも、この映画のいいところでした。そして、彼の未来のために背中を押してあげるエヴの母親のような優しさと、ラストの感動的な演出には涙が止まりませんでした。

フレッドが目立つ分、他のキャラクターがやや弱い印象もありますが、感動ストーリーを味わいたい方にはオススメできる映画です。


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