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ありがとう、そしてさようなら。『イップ・マン 完結』

【基本情報】

 原題:葉問4:完結篇
 英題:Ip Man 4:The Finale
製作年:2019年
製作国:香港
⠀ 配給:ギャガ・プラス

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:1/85
⠀ ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★★★★★★★★
    音楽:★★★★★★★★★★

【あらすじ】

1964年、香港。ケンカばかりする息子をアメリカに送ろうかとサンフランシスコの学校の視察に行くイップ・マン(ドニー・イェン)。

そこで、学校に入るにはチャイナタウンにある中華総会の会長ワン・ゾンホア(ユー・ウエ)から紹介状が必要と知る。

しかし、中華総会の掟である「西洋人に中国武術を教えてはならない」という項目を、イップ・マンの弟子であるブルース・リー(チャン・クォックワン)が破っていることから仲違いしてしまうことに。

さらに、当時は今以上に人種差別や不平等が色濃く残っている時代で、ワンの娘は学校で何かと絡まれる日々を送っており、ついにケンカの最中に白人の女の子が怪我をしてしまう。

それに怒った彼女の両親は、これを機にこれまで敵対視していた中華総会を壊滅させ、アメリカから追い出そうと動くのであった。

時を同じくして、ブルース・リーの弟子である海軍のハートマン(ヴァネス・ウー)は軍に中国武術の導入を進めようとするも、白人至上主義の上官から怒りを買う日々で、ここでも中国武術は排除の危機に。

異国の地で対立し合う白人と中国人、空手と中国武術。イップ・マンは体に異変を抱えながらも、仲間と未来のために再び戦いに身を投じて行く。

【感想】

はい、来ました。現時点において、文句なしで今年1位です。

昔からカンフー映画は好きだったんですけど、実はこのシリーズはなぜかずっとスルーしちゃってて、今回の最新作のために過去作を全部観直したら、もう面白いのなんのって。今回も完結編にふさわしかったです。・゜・(ノД`)・゜・。

このシリーズ毎回そうなんですが、必ず開始後5分で1アクションあるのがいいんですよね。そこで一気に見入っちゃうから。

で、「ムキーーーッ!」って本当にムカつく敵がいて(そう思わせるのがうまいんですよねw)、そいつらをぶちのめす!ってわかりやすい展開がこの映画の魅力なんですが、その中でもバトルシーンの壮絶さは、あらゆる映画の中でも群を抜いていると思います。

僕も派手なアクションシーンは好きなので、ハリウッドのCG全開のお祭りのような映像も大好物なんですが、やっぱり人間が己の身ひとつで拳を交えるのは、小さい頃から『週刊少年ジャンプ』を読んで育ってきた身からしたらたまらないもんですよ。

あのスピード感あふれる、目にも止まらぬ拳の攻防戦がかっこよすぎて。・゜・(ノД`)・゜・。本当に「シュバババババッ!」って音がするんですよね。だから、漫画をそのまま実写化しているかのように思えて大興奮なんですよ!!

そのかっこよさを可能にしているのが、ドニー・イェン。彼、普通に武術家でもあるんですよ。中国って俳優でも実際に武術をやってるっていう人も少ないながらもいるんですが、そんな人がアクションするんだから、そりゃ動きのキレが違いますよね!

しかも、中国映画はカンフーアクションのノウハウが貯まりまくってると思うので、どうやったらかっこよく見せられるのか熟知してるわけじゃないですか。

そりゃあ、、、もう、、、どの映画も勝てませんよ(笑)

ストーリーについては、過去シリーズを観た人にしかわからないと思うんですが、けっこうシリーズ2作目の『イップ・マン 葉問』に似ているなと思いました(ちなみに僕は2作目が一番好きです)。

最初は「イップ・マンとかいけ好かねぇなぁ」って中国人同士で対立してるんですが、ちょいと事件なり手合わせなりがあってお互い認めたのも束の間、彼らを見下すムカつく白人がいて、仲間がそいつらにやられて、イップ・マンがリベンジを果たすっていう流れですね。

さらに、今回は海を渡った国での出会いの中で、イップ・マンも自分の子供との向き合い方や伝えるべきことなんかに気づきを得るところもあって、武術家としてだけでなく、親としても考えるべきところがある分、人間味が深まっているようにも感じました。

また、これは完全に個人的な意見ですが、シリーズを通して思うのが、イップ・マンってちょっと孫悟空みたいなところがあるなと思っていて(笑)
ブルマが言ってたんですけど、「確かに強いこともあるんだけど…どんなにとんでもないことが起きても必ず何とかしてくれそうな… そんな不思議な気持ちにさせてくれる人なの」って言葉がピッタリ当てはまるんじゃないかなって感じるんですよ。

イップ・マンは決してあきらめないし、人を見下さないし、人のミスをとがめないし、むしろ戦うことをよしとしないし、でも大切な人は守るし、、、誠実を絵に描いたような人なので、そういうところが“何とかしてくれそうな”気持ちにさせるんだなって思ってます。

今、上司にしたい人No.1です、イップ・マン。

シリーズはこれで終わりですが、本当に面白い映画でした。
ありがとう、イップ・マン。
さようなら、イップ・マン。


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