見出し画像

灯台守の2人の男が閉塞感ある環境で正気を失っていくホラー『ライトハウス』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:134/145
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★☆☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ホラー
スリラー
バイオレンス
スプラッター
灯台
人魚

【あらすじ】

1890年代、ニューイングランドの孤島に2人の灯台守がやって来る。彼らにはこれから4週間に渡って、灯台と島の管理を行う仕事が任されていた。

だが、ベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と未経験の若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)は、そりが合わずに初日から衝突を繰り返す。

険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで2人は島に孤立状態になってしまうが……。

【感想】

A24ってことで期待していましたが、、、すぐに理解するには難しい映画でしたね。ホラーとは言うものの、ホラーなのかって言いたくなるぐらいには
謎めいていたので(笑)

<設定はシンプル>

これは2人の灯台守の男が、任期を終えて帰ろうとしたら、嵐のせいで迎えの船が来ず、そのまま取り残されてしまうという設定です。そこから、だんだん正気を失っていき、とんでもない悲劇につながるというストーリー展開なので、それ自体は難しいことはありません。

<とにかく理由がわからない>

本作は、いろいろ意味ありげに見えて、ほとんどないっていうのが理解が難しくなる要因な気がします。まず、正気を失う理由がよくわからないんですよね。とてつもなく狭いキューブの中に閉じ込められたり、行動が著しく制限されている状況ならまだわかります。しかし、ここは狭いとは言え、一応島です。男2人が住むには十分すぎる広さだし、外に出れば広い海が広がっているので、開放感はあるんですよね。

まあ、取り残されたことで食糧がなかったり、ゆーても古く汚い場所なので、快適に過ごせるわけではないです。おまけにトーマスは、雑用をすべてウィンズローに任せるという横暴さがあるので、ウィンズローからしたらストレスフルに違いはないのですが、、、とはいえ、正気を失うほどかなとは思いました。

あと、トーマスが頑なに灯台のてっぺんにウィンズローを入れさせないのも理由がわからなくて。「この灯りは俺のもんだ!」と、まるで子供がおもちゃを独り占めするかのような言い草でした。おそらく、トーマスはベテランがゆえに、ここは自分の縄張りという意識が強く、新参者を入れたくなかったんだろうと推測。実際そこに何があったのかと言うと、、、これは本編をお楽しみください(笑)

<びっくりするほどの豆知識の多さ>

この映画、公式サイトに「徹底解析ページ」が用意されてるほど、豆知識が多いんですよ。まあ、公式でそんなのを用意するぐらいには難解っていうことなんでしょうけど(笑)リンク載せておきますが、見る見ないは自己判断で。

ネタバレしない程度に言うと、実際に1801年に起こった「スモールズ灯台の悲劇」という事件を元にしているよう。さらに、過去の様々な作家や画家、映画などの影響を受けており、その要素もちょいちょい入れ込んでいるようなんですよねー。

とはいえ、結局、撮影裏話的な域は出ず、「なるほど!そういう話だったのか!」と、ストーリーへの理解が深まるわけではなかったです、個人的には。なので、もう「こういう映画である」と受け入れるしかありません。

<その他>

本作は最近の映画ではめずらしく、画面のアスペクト比は正方形に近く、色も白黒と、昔の映画を意識した作りなので、好みが分かれるかもしれません。

だいぶ特殊なホラーで、初見で理解できるようなしっくりくる映画ではまったくないのですが、興味があれば観てみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?