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性別を超越したラブストーリー『窮鼠はチーズの夢を見る』

【基本情報】

製作年:2020年
製作国:日本
 配給:ファントム・フィルム

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:77/124
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

結婚し、仕事も順調に進んでいた大伴恭一(大倉忠義)。しかし、彼は妻の依頼で興信所から浮気調査をされていた。その担当が大学時代の後輩である今ヶ瀬渉(成田凌)。

7年ぶりに再会するも、今ヶ瀬は恭一への積もる想いを伝え、調査結果を誤魔化す代わりに2人の関係が始まっていく。最初は戸惑う恭一だったが、今ヶ瀬のまっすぐな想いに徐々に心が開き始める。

しかし、突然恭一の元恋人である夏生(さとうほなみ)が現れたことでその関係性に変化が生じる。

【感想】

これまで同性愛モノってあんまりハマらなかったので、これ男が観てどうなんだろうなーって思ってたんですけど、意外とよかったです。同性愛モノがハマらなかった理由は、別にそれを否定するものではなく、単に僕の恋愛対象が女性なので、同性で愛し合うということが理解はできても共感ができなかったからです。

そりゃ今回もね、絵面的としては同じ男が観たら、男同士でチュッパチュパしてるのに萌えることはないんですが、そうは言ってもこの映画、けっこう性別を超越しているところが評価できるんです。

今ヶ瀬を演じた成田凌の醸し出す女性感が秀逸で、あれが男同士の絡みを絶妙に男女の絡みっぽく見せるから、いわゆるゲイっていう雰囲気がなかったんですよね。

だから、普通に男女の物語のようにも感じられるし、むしろ性別とかはもはや意味を成さず、ただ愛と恋がそこにあるっていう印象さえ受けました。

その女性っぽさは絡みのシーンだけでなく、彼の言動にもよく表れていて、
相手を好きすぎるがゆえに自分で自分を苦しめてしまうところは切なかったですね。。。自分から好きになったのに、自分の思った通りにならなくて嫌になってしまうっていう。。。これ、『愛していると言ってくれ』の常盤貴子も同じだったなって思いましたけど。ある意味、自分勝手という捉え方もできるかもしれません。

恭一を演じた大倉忠義の演技もよくて、女は食うのに男からは食われる立場で、最初は嫌がっていたのにだんだん身も心も許してきちゃうってのが漫画みたいな展開でした(笑)

いやでも、この映画、よくよく考えると彼のモテ伝説みたいなところがあるんですよ。だって、程度の差こそあれ、2時間という尺の中で5人と何かしらありますからね。2時間って5人って。イケメンだといけちゃうんだって。ネイティブリア充かって。彼のような人が世の男性の童貞率を上げているんじゃないかっていう気もしますけど(笑)

まあ、そんなことはさておき、この映画の見どころとしてはやっぱり濡れ場の体当たり演技ですね。女性で、特に2人のファンからしたらやっぱり萌えポイントになるんですかね。ローション使って云々っていうのがリアルで、松坂桃李の『娼年』を彷彿とさせる激しさでした。まさかジャニーズがあそこまで体当たりするっていうのが驚きでしたけど。

もしこれが、いわゆる短髪でヒゲのゴリマッチョだと、けっこう観客を選ぶ形になりそうなんですが、今作は2人とも細身で綺麗な顔しているので、そこらへんかなり和らいだかと(笑)

ただ、恋愛映画として観たらアリだとは思うものの、正直、同じ男からしたら、男同士ってところの受け入れ難さみたいなのは拭えなかったですね。僕は恋愛は自由でいいと思いますが、あくまでも僕自身は恋愛対象が女性なので、やっぱり最初に書いた通り、理解はできても共感はしづらいなっていうところはあります。

この映画、男女でかなり見方は変わりそうですねー。


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