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成功はあきらめない人のところにやって来る!"キャリア"のシンデレラストーリー『新喜劇王』

【基本情報】

 原題:新喜劇之王
 英題:The New King of Comedy
製作年:2019年
製作国:香港・中国合作
⠀ 配給:ツイン

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:11/71
感動😭:★★★★☆
笑い😂:★★★★☆
胸熱😆:★★★★☆

【ストーリー】

ユー・モン (エ・ジンウェン)は女優を夢見ているが、いつまで経ってもエキストラのままで気づけば30歳。

ある日、役作りのためにやったプチ整形がスタッフの目に留まり、かつてのスター俳優マー・ホー(ワン・バオチャン)主演の超大作に起用される。

しかし、過去の栄光にすがるマーは演技も性格も最悪なトラブルメーカーとなり果てていた。

落ちぶれたマーと、スターを目指して現状から脱したいモンの出会いが、
2人の運命を大きく変えていく。

【感想】

1999年の『喜劇王』を20年ぶりに復活させた映画なんですけど、いやー、相変わらずチャウ・シンチー監督の映画はいいですね。テンポのよさに加えて、笑いあり涙ありの展開はやっぱり面白いです。この人の映画好きです(知らない方のために言っておくと、この方は『少林サッカー』の監督・主演を務めた方です)。

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しかし、この映画、だいぶポスターでだいぶ損してる気もしますけど、こんなおバカなだけじゃなく、意外にも“キャリア”におけるシンデレラストーリーと言っても過言ではありません。

とにかく、主人公の不遇っぷりがハンパなさすぎるんですよ。。。

十数年エキストラをやり続けても一向に芽が出ず。

ちょっとしか映らないのに、役の背景や表情など細かい設定まで問い詰めるからスタッフからも煙たがれて。

プチ整形して役を与えられたかと思えば、主人公のスタントマンで、ボコボコに殴られる役。

「何でもやります!」と脱げば、皮と骨にシワが出てきた体にダメ出し。

「美人じゃないけど努力で役を掴み取る!」と言った直後に、いっしょにいた美人の友達がスカウトされてスターへ。

おまけに彼氏にも裏切られるという、空前絶後の泣きっ面に蜂状態。

こんなに不遇な主人公は今年観た映画の中ではトップクラスたです。。。肉体的よりも精神的に辛い。。。

そこで運命の歯車を変えたのがまさかのマーなんですよ!彼に仕掛けたドッキリがきっかけで、マーは自らを見つめ直し、やがて再び脚光を浴びることになります。

それがモンに返ってくるんですよね。彼女は仕事も恋愛もうまくいかないから、一時期役者をやめるものの、再会したマーから「降参するのかい?降参さえしなければ成功できるんだよ」という言葉をかけられ、オーディションに挑みます。

この王道すぎる流れが強い共感と感動を生むんですわー。王道って「ありきたり」って捉えられがちだけど、バカ言っちゃいけません。それほど、多くの人に受け入れられやすい話ってことなんだから、基本的には面白くないわけないんです。

しかも、マーとモンには感動的なエピソードもあって、そこがまた泣けるんですよね。。。

モンの境遇は本当に辛くて、多くの人が挫折すると思います。でも彼女はあきらめませんでした。愚直にやり続けたんです。現実には努力が実らないことも多いですが、努力をしなければそもそも成功の可能性はゼロですからね。

『新喜劇王』というタイトルではあるものの、9割は"悲劇"です。でも、笑と涙を内包したわかりやすいストーリーと、「あきらめない者が勝つ」というシンプルなメッセージは心に沁みます。

【その他】

ちなみに、前作は全然違う話でして。売れないエキストラ俳優を、今作の監督でもあるチャウ・シンチー本人が演じ、女子高生パブで働くセシリア・チャンが客の心を掴むために演技指導を彼にお願いするっていうラブコメになっています。

ストリーミングサービスにはないので、アマゾンでDVD買うか、TSUTAYAでレンタルするしかないですね(都内だ歌舞伎町のTSUTAYAにありますよ)。


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