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Object-Oriented Conference 2024 03-24 のメモ

2024-03-24にオブジェクト指向をテーマにしたカンファレンス、Object-Oriented Conference 2024に参加しました。オブジェクト指向での開発のど真ん中からは少し遠いところにいるものの、いまの業務でもモデリングは非常に重要な概念なので参加してみたものの、想像以上に多くの学びがありとても楽しめました。簡単ながら自分の参加メモを残しておきます。


オブジェクト指向のリ・オリエンテーション ~歴史を振り返り、AI時代に向きなおる~ by 羽生田 栄一

豆蔵ホールディングスCTO羽生田さんによるセッション。オブジェクト指向の歴史とから始まり、オブジェクト指向からDDDに繋げるためのOOPの段階論およびモデリングの段階論が紹介されていました。自身や自分たちの組織におけるモデリングの成熟度の計測やそこからどのような成熟度を目指していくべきか考えるきっかけになりました。

生成AIの不確実性と向き合うためのオブジェクト指向設計 by 菊池 琢弥

ALGOMATIC カンパニーCTO 菊池さんによるセッション。生成AIを使ったプロダクト開発への考え方などが紹介されていました。

セッション中に紹介されていた同社メンバーによるAAAAモデルに関するエントリはこちら。

現実世界の事象から学ぶSOLID原則 by ほりしょー

ハコベルのエンジニア ほりしょーさんによるセッション。多くの人が"原則が抽象的。当たり前すぎて、適用するメリットを掴みづらい。"と感じてしまうSOLOD原則を現実世界の焼肉屋さんのビジネスで表現してくれました。残念ながらタイムアップとなってしまったものの、メリットを考え直すいいきっかけになるセッションでした。

資料はこちら。

チームでモデリングを育てるうえで考えたこと・気づいたこと by Masaki ASANO

BABY JOBの浅野さんによるセッション。社内にモデリング文化を醸成していくための振り返りを共有してくださいました。あるべきを目指しながらも現状はどこまでやることができるか。理想を追い求めすぎて運用が破綻しない導入をするための視点を考えるきっかけになりました。

資料はこちら。

実務への応用例から考える、変更に強いオブジェクト指向設計 by 貞森友章

弁護士ドットコムのエンジニア 定森さんによるセッション。2,400行にも肥大化してしまった"神クラス"をどのようにリファクタリングしていったかをミリミリとお話してくださいました。

資料はこちら。

ビジネスロジックを「型」で表現するOOPのための関数型DDD by Yuito Sato

ログラスのソフトウェアエンジニア 佐藤さんによるセッション。ルールとハンドリングでの異常をどういった仕組みで検知するべきか考えるきっかけになりました。全域関数など、新たに認識する言葉も多く非常に面白かったです。

資料はこちら。

DDDでレガシーコードに立ち向かうリアル、躓きと学び by 中田 義人

コドモンのエンジニア 中村さんによるセッション。コドモンは保育園に通う娘が居るために毎日のように利用しているサービスなのですが、そういった点に全く関係なく非常に興味深いセッションでした。ミリミリとリファクタリングを進めていき、目指していた理想から妥協した現実に着地しつつも多くのことを学び前進する様は学びが多かったです。

リファクタガイドラインなどの取り組みも素晴らしかったのですが、"「レガシーコードはリアルな設計課題の宝庫」である!当事者としてDDDと照らし合わせながら進めたことで理解が深まった。 "といった言葉には大きな優樹をいただけた気がします。ありがとうございました。

現時点では資料は未公開ですが、コドモンのテックブログはこちらです。

ドメイン・ファーストで考える問題解決に役立つモデル設計 by Shinichiro

ベースフードのシニアソフトウェアエンジニア Mikamiさんによるセッション。"生成AIにシステム開発をドライブしてもらったとしたら?"というテーマで戦略的プログラミングと戦術的プログラミングのメリット/デメリットを紹介してくれました。"生成AIに既存のリソースを提供して、課題解決をリクエストしても戦術的プログラミングになりがち。リクエストする際には何を解決したいのかを気にしてみてください。"という言葉は生成AIがもてはやされているいまだからこそより一層意識していきたいな、と思いました。

資料はこちら。

SaaS型Webサービス 「カオナビ」 のチーム開発でPackage by Featureを取り入れた話 by 藤野崇志

最後に観たセッションはカオナビのエンジニア 藤野さんのセッション。Package by Featureという言葉をはじめて聞いたのですが、実態としてはJavaでの開発でよく使われているディレクトリ構成でした。自分が名前もしらずに利用していることでも、名前を知ることで深掘りすることができて興味深かったです。他の言語での開発でもPackage by Featureの視点で見直してみようと思います。

最後に

懇親会でもさまざまなディスカッションができました。モデリング文化を醸成するためのスクラムの見直しなど、オブジェクト指向に限らないトピックを話すこともできて非常に有意義な時間でした。また、同席させていただいた方から共有いただいた資料も面白かったです。

Readable 正規表現

今後もさまざまなカンファレンスに参加し、多くのことを学んでいきたいと思います。本日関わってくださったみなさま、ありがとうございました!

最後にObject-Oriented Conference 2024 公式ガイドブックのダウンロードページを紹介しておきます。興味深い記事も多いので、是非ご覧ください。


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