見出し画像

「小グモのゆくえ」

無惨にも
住まいを刈り取られ
親子ちりじり
それでも生きてた

卵からかえったばかりの
小グモたち
まっしろで小さくて
いとおしい

母ちゃん父ちゃんいないのに
この子たちは生きれるか?
不安で見つめた翌日に
あの子たちはいなかった

どこへ行ったか
生きのびているのか
食べられてはいないか
心配してもわからなかった

そんな思いを胸に潜め
あれから二か月ちょっと
小グモのゆくえのヒント
そんな文に出会った

「クモの巣から切れた糸が
風に飛んでいく
そこに子グモが五、六ひき
ぶら下がって

それは松の実やタンポポが風にのるように
小グモは糸を飛行機代わりにして
すがって遠くまで
飛んでいく」

あの子たちも同じだったのか?
父母はいなくとも
飛行機糸は母ちゃん
そよぐ風は父ちゃんとなり

大いなる存在があの子たちを包み込み
大事にあたたかく
見守って
育っていったのかもしれない

福岡正信著「自然農法 わら一本の革命」から一部引用

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?