「イチジクの赤い糸」
ちょっと花の色がさみしいこの季節
さがし求めて
ふと見つけたのは赤黒い実
完熟してるから食べちゃった
これはまるでイチジク
小さくてまるくて黒くて
色もかたちも違うけど
ほんのりひろがる甘さとつぶつぶおんなじ
美味しくてもひとつ
もうこれで最後
鳥がほとんど食べちゃって
あとは実がまだ青い
青い実のかたちはイチジクそっくり
やっぱりこれはイチジクに違いない
調べてみたらイヌビワだって
ビワの名前のイチジクだって
イチジクって面白い
果実の正体はちっちゃいお花のかたまり
あの中にオス株の花に虫が入って卵を産んで
それが成長してメス株の花に移って受粉する
イチジクの花粉を運ぶイチジクコバチ
このコバチだけが受粉できるんだって
しかもイチジクの種類ごと決まったコバチがいて
お互いがいないと生きていけない
世代を超えても同じ赤い糸で結ばれる
なんてロマンチック
そしてちゃんとコバチは分かってる
自分の決まったイチジクの花を
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