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「囲炉裏の宝石」

真夏でも
茅葺き屋根の家屋には
囲炉裏に火が
焚べられる

立ち上がる煙は
虫除けになり
屋根を丈夫にする
だから毎日欠かさない

暑いけれど
立ち上がる煙と熱は
鉄瓶からの蒸気を奪いながら
モクモクと巻き上がる

煙が魅せる熱の対流は
涼風を
吹き込んで
心地良い

新たな薪を焚べ
炎がぐっと立ち上がると
しばらく炎に巻かれて
黒焦げに

囲炉裏の中で
薪は炭になっていく
炭になるまでは
延々と燻り出し続けていく

炭となりゆくと
その内側は煌々と輝く
宝石…それはまるで
赤とオレンジのトパーズのようで

癒される
囲炉裏のトパーズ
炎暑でも

白化した炭はやがて
内なる炎で崩れ落ち
赤い宝石群のイチブとなり
溶け合っていく

そこでさらに燃えて燃えて
これ以上ないほど
燃え尽くして
灰となり残りは天に昇るのかな

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