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【バトン連載】私の移住ストーリー vol.6|鈴木邦彦@石垣島

はじめまして!ギャグ漫画家でロッククライマーの鈴木邦彦です。
この記事では、私が石垣島に移住した理由と、移住してみて今思うことについて記載しています。
よければぜひご一読ください。

私が石垣島に移住した理由


【①東京暮らしに疲れだす】
2020年元旦。私は正月から溜め息ばかりついていました。

秋田県のイナカ出身の私は、東京住まいにすっかり辟易していたのです。

東京にはかれこれ18年暮らしましたが、35歳を過ぎたあたりから、都会の喧騒やドライな人間関係、そして金ばかりかかる生活にだんだん嫌気が差すようになりました。

「このままこの殺伐とした街で、ジジイになるまで過ごすのはごめんだな…。」
アラフォー突入を目前としていた私は、この年の誕生日(6月)を迎える前に、どこかイナカに移住しよう。と強く心に決めたのでした。


【②向かうなら南がいい】

当初は私の実家がある秋田か、妻の実家がある北海道にUターン移住する計画がありました。

しかし思い出したのです。私は寒いのがとてつもなく苦手だということに。

(てゆうか人類というのは南アフリカが発祥なので、同じような気候の南国で暮らしたほうが健康に良いはず。現に霊長類のほとんどは熱帯付近に棲息します。)

というわけで日本で一番南の沖縄に移住することに決めました。

那覇のある沖縄本島は都会すぎるのでパス。離島に絞ります。
ロッククライミングを生きがいとする私は、沖縄諸島でもっとも岩の多そうな石垣島に移住することにしました。

※岩ウンチク ここで言う「岩」はロッククライミングの対象になる岩です。サンゴによってつくられる琉球石灰岩はギザギザしていて痛いので含まれません。また、西表島や与那国島に多くみられる砂岩は軟かくモロいため、対象になるものは一部に限られます。花崗岩、凝灰岩といった、石垣島に多くみられる岩は最高の対象となります。

移住するためにクリアしなければならなかったこと

移住にあたっての一番の壁は、妻をどう説得するかでした。

北海道出身の妻も都会の暮らしには疲れ果てており、イナカ移住をしたいと常々こぼしていたものの、「暑いのだけは無理。」と私と真反対のことを言うのです。
のどかな南の島の暮らしはきっと楽しいよ!と強引に丸めこみ、半分誘拐するように連れてきました。

妻も今ではすっかり島の暮らしに慣れて、元気にカキ氷屋さんで働いています。

移住してみて、今おもうこと

石垣島に移住して4年ほどになりますが、毎日のように新しい発見や体験の連続です。

【①島の自然に遊ぶ】
石垣島には思ったとおり、たくさんの岩がありました。

移住してからずーっと、海岸やジャングル内の岩々で、ロッククライミング(ボルダリング)を延々と楽しませていただいています。
まだまだ島の奥地には未発見の岩が眠っている感触があります。

崎枝 海岸沿いの岩を登る
野底マーペーを崖側から登る。大迫力!

野底マーペーの崖側を登頂した記録は雑誌にも取り上げられました。
また、沢登りをして滝に出かけたりと、岩以外にも新たな楽しみをたくさん見つけることもできました。

まだ見ぬ島の景色をもっともっと見てまわりたいです。

石垣島最大級と思われるアマユナーの滝に子供たちをガイド。


【②島の文化に触れる】

石垣島では、自然そのものが聖域とされる「御嶽」や、草木を素材とした多くの民具など、自然・信仰・文化がお互いによりそうような形で島を形づくっていると感じます。

去年は登野城の豊年祭に(恐れ多くもこんな新人移住者が)棒術で参加させていただきました。
実に荘厳で、神秘的な経験でした。

写真左が筆者。一番右は我らが編集長・佐藤氏

また、八重山はたくさんの来訪神に見守られています。
神様やご先祖様が暮らすあの世の世界と、こちらの世界の距離がすごく近い島だと常々思います。
アンガマ 、ミルク神、マユンガナシなど枚挙に暇がありません。

神様たちの姿を目にするたび、えも言われぬ感動に包まれます。

※水木しげるの描いたマユンガナシ。水木しげる著「日本全国神様百怪」より。

私は妖怪マニアでもありますので、八重山に伝わる数多の伝承にも興味がつきません。
マーペーやアイナマ石など、悲しみの先に石化してしまった、切なくも不思議な女性たち。

人魚(ザン)やピーフキドリといった独特の妖怪譚も魅力的です。

平久保のアイナマ石。

そしてそういった文化を脈々と継承して、次の世代へ伝えていくことに対する意識が、みなさま非常に高いのが本当に素晴らしいです。

【③島で漫画を描く】

岩登りもやっていますが、私の本業はギャグ漫画家です。
なんとか八重山で4コマ漫画の連載を持ちたい・・と常々考えていました。

飲み屋で会う人、街で会う人に片っ端からお願いしてみたところ・・
あれよあれよと、八重山日報さんと月刊やいまさんで漫画連載を持たせていただけることになったのです!

八重山日報「アフロくん」記念すべき第1話

さらには、2023年からこの「月刊まーるマガジン」でも【まーるロボット マーロくん】の連載をスタートさせていただきました。

ぜひご覧いただけますと嬉しいです。
4コマ漫画のご依頼がございましたらお待ちしております〜!

そんなこんなで、石垣島ライフ、本当に楽しく過ごさせていただいております。

島で大きな岩を見た!という方、ぜひ私にお教えください!
また八重山日報や月刊やいまの4コマ漫画をぜひご覧くださいませ!

お読みいただきありがとうございました。

次のバトンは…

ミッチーこと藤田ミチナリくん。
タイ料理屋と不動産をやっている優しい男です。バトンも優しく受け取ってくれました。


この記事を書いた人

鈴木邦彦

ギャグ漫画家/クライマー
日本最南のギャグ漫画家として活動。
また、ボルダリングジム&ガイド「TOP OUT」運営。
石垣島のボルダリングエリアの新規開拓や、山や滝へのトレッキングガイドも行う。

連載中
八重山日報「アフロくん」
月刊やいま「まじむん日記」
月刊まーるマガジン「マーロくん」
フリーファン「くにくにのぐだぐだ」など。
4コマ漫画がメイン。

経歴
国民体育大会スポーツクライミング競技 出場多数。
野底マーペーを崖側から登頂。
野底ボルダー最難ルート「ティンガーラ」初登。
2023年 40歳にして沖縄県総体スポーツクライミング競技 男子総合準優勝。
スポーツクライミングにおいて日本代表選手を含む多くの選手の指導経験を持つ。

座右の銘は「下には下がいる」。


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