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やりたいことができる日常を1日でも長く。からだの「見える化」で、一人でも多くの健康寿命を延ばしたい。

お腹ソムリエ研究所 小熊 美嘉さん

健康診断で、1年前より3キロも太っていたことが判明した私。
いつの間にか太ってしまった…と落ち込んでいましたが、よく考えると最近、膝や腰が痛い。もしかして、これは体からのサインなのでは。
気がついたら、なんとなく太ってしまっていた。こんな人、多いのではないでしょうか。
お腹ソムリエ研究所の代表 小熊 美嘉さん(以下、小熊さん)は、エコーを使ったお腹の中の画像と点数評価で「からだを見える化」するサービスを提供し、健康経営支援サービスやダイエットサポーターとともに、組織の健康づくりを支援しています。
小熊さんに、ダイエットや健康づくりにどうしたら本気になれるのか。方法と理由についてお話を伺いました。

自分の体のこと、知ってますか?

ーーどうしたら、ダイエットに本気になれるんでしょうか。

ずばり他人事から自分事に、切り替えることが大事ですね。
健康は、日々の積み重ねでつくられます。手遅れになってからでは遅いですよね。
自分の体のことをよく知らない人は、とても多いです。
運動不足なのか、食事習慣が良くないのか。
それがわかれば、どんな運動のメニューを増やした方が良いなど、その人に必要な具体的なアクションが見えてきます。

お腹ソムリエ研究所 代表の小熊 美嘉さん

小熊 美嘉(おぐま みか)。看護師として16年、多くの患者さまの治療からお看とりまで幅広く携わる。その経験を経て、予防医療の重要性に気がつく。
「今、手に入る健康」への価値を強く認識し、それを大切にしてもらうための活動を開始。2024年3月から、お腹ソムリエ研究所の代表取締役に就任。
Instagram:https://www.instagram.com/mika_onakasommelier/

直感的にわかるお腹写真のインパクト

ーー自分事にする。耳が痛いです。

坂井さんだけじゃないですよ。看護師として働いていた時も、自分のことなのに他人事にしてしまう患者さんは多かったです。
健康診断は、体重や血糖値などが高くなって悪い状態になるか、その中間で初めて注意されます。悪い状態になるまでは、ほとんど言われないので、自分も意識しないんですよね。

ーーまさに今、注意されて焦っている状態です。

「3キロ太ってしまったのは、多分在宅ワークのせい。」
これはみなさんわかるんですが、在宅ワークで運動が足りなくて太ったのか。
それとも、家にいるから余計に食べてしまって太ったのかが、健康診断や体重だけではわからないんですね。

お腹ソムリエのエコー評価では、お腹の中を直接見て、運動不足で付いた脂肪なのか、食べ過ぎで付いた内臓脂肪なのかがわかります。「じゃあ、食べるのに気をつけよう」など、具体的な行動に移しやすくなります。
目で見てわかる直感的なデータで、今の状態を知ることができるんですね。

見た目は痩せていても、実は内臓脂肪がたくさんあって、生活習慣病に注意しなければならない人もとても多いです。
その方に一番あった健康指導の方法が導き出せますし、リアルタイムでわかる手軽さもあって、他の測定よりも受けやすいのも特徴です。

お腹のエコー画像

ーー太った理由がわかれば、あとは行動に移すだけですよね。
お腹ソムリエ研究所は、運動や生活習慣のダイエットプログラムはされてないんですか?

はい。現段階では、すばらしいダイエットプログラムやサポーターさんが既にたくさんいらっしゃいますので、その方達の支援に徹した方が、なるべく早く多くの方に健康になっていただけると思っています。

患者様の最期の願いは日常生活でできること

ーーお腹ソムリエ研究所は、病気になる前に気づかせる、つまり予防医学という考え方なんですね。小熊さんが予防医学に興味を持ったのは、どういう経緯があったのでしょうか?

私は16年ほど看護師をしていて、総合病院でがんなどを含めた急性期~終末期まで、多くの患者様の治療に携わってきました。入院したくない方、早く家に帰りたい方など、いろんな患者様がいらっしゃって。
もう少し手助けがあったら、希望を叶えてあげられるのにと思っていました。戦場のような忙しさなので、もっと一人ひとりに寄り添いたいのにそれは難しくて。看護師ができる限界を感じたんですね。

それから、ご自宅でできる支援をしたいと思って、訪問看護に移りました。
一番多いのは「お看取り」で、10代から100代まで幅広い年齢層の患者様と関わらせていただいたんです。
患者様が最期におっしゃるのは、「ソフトクリームが食べたい」「奥様と散歩がしたい」など、日常の些細な希望が多くて。
それって、元気だったらいつでもできたことだと、気付いたんですね。

ーー最期の望みが特別なことじゃなくて、日常でできることばかりだと。

はい。日常生活が当たり前すぎて、失った後に「大事なものだった」と気づく人が多い現実に直面しました。
その経験から、少しでも健康な人生の時間を伸ばす支援をしたい。
日常のやりたいこと、一つひとつを大事にしてほしいと、強く思うようになりました。…でも、そんな話を健康診断で看護師がしても、やっぱり患者様に届かないんですよね。

ーー聞いてもらえないと。やはり他人事になってしまうんですかね。

健康は空気と同じです。無くなったら苦しい。
でも、空気がなくなって、苦しくなってから気づくんですよね。
どうしたらいいのかと悩んでいた時に、お腹ソムリエに出会いました。

受けてくださった方は意識が変わって、自分の体に向き合ってもらえるということを知ったんです。
健康でも危機感を持ってくださる方が多く、その方は数カ月後、評価点数が90点に改善ししました。日々の生活で、運動や食事に気を使って過ごされたそうです。
自分のアクションが、人の意識を変え、「不健康予備軍」から健康行動の習慣化ができるところにまで持っていけた!という成功体験は、自信に繋がりました。
お腹ソムリエで意識を変えられることをもっと実感してもらいたいと思い、今に至ります。

生活習慣分析レポート

健康意識スイッチをONにしたい

ーー「自分事に変える」瞬間を目の前で見られたんですね。

そうですね。お腹ソムリエで意識を変えて、スイッチONになると継続できるんだとわかりました。
悪い数値を見て、わーヤバい!と思っても、その後のサポートがないと気持ちが冷めちゃうのが問題なんです。継続するのはやはりご本人ですし。
なので、あくまでスイッチを押す、意識を変えることに集中して支援をしたい。
素晴らしいウェルネスサービスがユーザーに届くよう、やる気スイッチを押せる魔法の杖のような存在で、お腹ソムリエサービスを使っていただきたいと思っています。

左:小熊さん・右:坂井

ーーお菓子を1個食べて、すぐ悪くなるとか、病気になるってことはないじゃないですか。健康って、小さな積み重ねなんだなぁとつくづく思います。

食べたいだけ食べて、「好きなことやって死ねばいい」という方も、その方の人生なので止めはしません。
ですが、私達はそんな風に生きてきた人が最期に悔やんでいる姿をたくさん見てきました。
悪くなった時に、好き放題で良かったと本当にそう思えるのか?
もちろん長生きする方もいらっしゃいますが、健康を意識していたら、もっと体をうごかせたのではと思ってしまいます。

平均寿命は男性で81歳、女性87歳。一方、健康寿命は男性72歳、女性75歳というデータがあります。
(引用:厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-002.html

平均寿命と健康寿命の差は10年。10年間も体が不自由で生きていることになります。
ちょっとした健康意識の積み重ねで、健康寿命が延びたかもと思ってしまうんです。
アスリートのように追い込む必要はないけれど、日常生活の意識で、お菓子をあともう1個の食べるのをやめたりして、砂糖の摂取量が減るかもしれない。
日々の生活習慣改善といった、そういう小さなポイントに目を向けていただくきっかけをつくりたいと思っています。

ーー健康への根本的な課題に焦点を当てたサービスだなと思いました。お金の不安もそうですが、何が不安で問題なのかを明確化するのが大事ですよね。健康も同じなのかなと思いました。

そうだと思いますね。
お金もどんなに持っていても健康がなければ、意味はないし、自由にもなれないですね。
健康なうちに、意識することが何より大事だと思っています。

ーー体の節々にガタが来ているので、改めて自分の健康を大事にしなきゃと、すごく染み渡りました。ありがとうございました!!

◆編集後記
自分の体に向き合うって、実は勇気が要りますよね。当たり前のことですが、忘れがちな「日々の積み重ね」について、改めて大事にしようと思いました。まずは毎日体重計に乗る習慣から始めたいと思います。
小熊さん、ありがとうございました!

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