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ふちなしのかがみ【読書記録 No.3】

まず、この本。
めちゃくちゃ怖い話です。
私、ホラー小説苦手なのでホラーだと分かっていたら読まないのですが、
そんな私が今まで触れてきた本の中でトップレベルに怖かったです。
読んだその日、家までの夜道が怖くて、友達に送ってもらったくらいです。笑

辻村深月さんの作品が好きで、でもホラー系を書く印象がなかったので、完全なる不意打ちでした。
図書館の辻村さんの棚を見て、読んだことがない本だったので手に取った、という感じで。
表紙も自然っぽいテイストで、怖さなんて全く感じなくて。(裏表紙を見たのは本を読んだあとでした)

この本の特徴(特長)は、とにかく「リアルに想像できてしまう」こと。文字だけなのに。

怪談話ってつくりものだと分かってるはずなのに、本当に近くの学校や隣町で起こっていそうな、
肩にスッと寄ってくるような怖さがあって。

読みながら「えぇぇぇぇ」とか「ひいぃぃぃ」とか、何回も叫びました。明るい部屋で読みましょう。
五つの短編なのですが、個人的には一番最初の話が本当に本当に怖かったです。

怖いよう…と思いつつ読み終えて、あとがきを読んで辻村さんの意図を知り、「はわわわわー!!!!」と叫びました。
これは怖さではなく感嘆からくる叫びです。

辻村さん、やられました。
文学ってすごいですね。

2009年に書かれた本なのに、色褪せぬ切れ味で本の中へ引き込まれます。
帰ってこれるかは、その人次第かもしれません…。

2024.2.11

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