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精神科はこわくない

初めての精神科はドキドキとワクワクでした。

なんとなく、ヤバい人が集まる所みたいなイメージがあって。
きっと殺伐とした雰囲気で、明らかにメンヘラそうな人がたくさんいて。
叫んでる人とか挙動不審な人とかいるんだろうな。
でも動揺しちゃいけない…!
スタッフさんも先生も精神疾患患者の扱いが慣れた精鋭ばかりだろうから、きっと強面な人が多いんだろうな。
動揺しちゃいけない…

と、覚悟をしてエレベーターに乗り、扉が開いた先の病院はとてもとても綺麗で落ち着いた空間でした。

「初診で予約しました…」
と受付に行くと、若い小柄なスタッフさんが愛想よく簡潔に手続きしてくれました。
隣のスタッフさんは先生らしき方と小さな声でニコニコお話していました。
強面の屈強なスタッフさんは1人もいませんでした。

問診表を書くために書類を受け取り、待合椅子に座ってこっそり周りを見渡すと、それはそれは普通の方々ばかりでした。
普通に仕事終わりで来てそうなおじさん、
普通にスーパーで見かけそうなおばさん、
普通に学生してそうな若い子、
普通の親子。
みなさん静かに診察の順番を待っていました。

ヘルプマークを鞄につけている人もいるけど、なんのヘルプがいるの?と聞かないとわからないくらい普通で静かな人たち。

私はビックリしました。
こんなにも普通に見える人たちが、心の中にいろんなしんどさを抱えているんだ。
それも、自分ではどうにもできなくて、こうして病院に通うほどの大きなしんどさを。

それと同時に、なんだか少しホッとした自分もいました。
みんな一緒なんだな。
社会に出てるときは「普通の人」であろうと努力しているんだな。
それは、このメンタルクリニックという場でも変わらず。
勝手に仲間意識が芽生えてきます。

こんなにも普通の人が…なにを抱えてここにいるんだろう…
と、話しかけて聞き出したい気持ちはぐっとこらえて。
周りの方々が落ち着いていたお陰で、私もゆっくり診察を待つことができました。

30分ほど待った後に順番が呼ばれました。
恐る恐る診察室に入ると、大きな声で「こんにちは!」と迎えてくれたのはサーフィンとかハワイとか好きそうな健康的な色黒の先生でした。

この日は初めてということで、いろんなことを聞かれてお話しました。
会話の内容はほとんど覚えていません。

けど、
「いろいろ話を聞いてくれたし、思ったよりも楽しく話せた」
「また次もがんばれそう」
と、帰り道の足取りが少し軽かったことは覚えています。

なにが言いたいかというと、精神科は怖いところではありません。
なにか危害を加えてきたり、高圧的な態度をとるような怖い人もいません。
心のしんどさを取り除こうと一生懸命な人が集まっている場所です。

(梅田のメンタルクリニックでの事件があり、一概には言えないところではあるのですが、少なくとも私は2年の間で一度も見たことがありません)

見た目普通の方々が、普通に過ごしたくて、そのための手助けを求めてここにいるのだろうと思いました。

だからもし、今心にしんどさを抱えていて、自分で解決することが困難であると感じている人は一度精神科を受診してみるのも良いかと思います。

思っているよりも、気軽に行って大丈夫なところです。

でも、その前にぜひ知っておいてほしいことがいくつかあります。
日常生活を送る上で、精神科・心療内科に通っているという事実が自分の不利益になってしまうことがあります。
また、治療が長期にわたるので医療費の確保も念頭におかなければなりません。

そのことについて詳しくは別のノートでお伝えしますので、参考にしていただければと思います。
私が通院前に知っておけばよかった!ということを詰め込みます!

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