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年々減っていく果物

こんにちは。岡山県倉敷市玉島で青果市場を営む丸一青果です。

私が農業を辞めてから丸一青果で働き始めてて一年が経過しました。
野菜や果物は一年通して全国各地から季節の物が市場に届けられるので、去年働き始めたばかりに入荷していた果物と同じ箱を見ると、ついに一周したなぁ・・・と心の中で独り懐かしい気持ちに浸っております。

去年としか比較できない私でも、果物が少なく、高くなっていると感じるのですが、30年以上この業界で働いている私の師匠も
「高齢化で生産者が年々減ってる、果物はどんどん高くなる。」
と言っていました。

テレビやネットでは新規就農した人の特集やSNSの投稿なんかがよく目に止まるので、若い農業者が増えてるイメージを勝手に持っていたのですが、市場に出荷するような専業農家は確実に減っていっているようです。

最近就農する若い人達は自分たちで販路を作り、6次化まで手掛けたりしています。もしくはライフスタイルとして農のある暮らしを選ぶ人も多いのでしょうか・・・・

市場に出荷しようとするとかなり厳しい規格に則って『見た目』重視の野菜作りをしなければいけません。傷や変形があれば『B品』と言われ、運賃と箱代も出ないような値段を付けらることもあります。
仕入れる立場としては安く仕入れできると当然助かるのですが、正直
「この値段だと農家は相当やられてるな。」
と思っていますし、市場の関係者はみんな分かっています。

こんな現状で農家の跡取りがいなくなるのは当然ですよね・・・
若い人が市場に出荷しないのは当然ですよね・・・・・

差別化がしにくく、かなりの部分で機械化・大規模化による効率化が進んでいる野菜に関してはまだまだ市場の役割が重要だと思いますが、こだわりを持って差別化しやすく、人の手が多くかかる果物はこれからどんどん市場離れが進むような気がします。
スーパーの果物は高くて美味しくない物ばかりになっていくんじゃないかなぁ・・・・きっと今までが綺麗なものを求めすぎていて、価格も安すぎたんだと思います。

終わりの見えない感染症の流行やネットの発展で世の中が大きく変わる流れを感じますが、農作物を扱う市場のあり方や農作物を選ぶ消費者の考え方にも大きな変化が訪れるような気がします。

私たちも早め早めに変わっていかなきゃいけないなぁ・・・・・



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