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Torso~トルソ~

洋画ばかり見ていた時代に、
なんとなく、気になって珍しく借りた邦画のひとつ。
派手な演出も、音楽も、ない。
セリフはドラマ仕立てのハッキリとした聞き取りやすさもない。
無駄なひとりごともなければ、説明じみたセリフ回しもない。
あるひとり暮らしのOLの「日常」

映画はカフェで妹と待ち合わせしている場面から始まる。
わたしは、なんだか知らないけどカフェの場面が結構好きだ。
洋画のカフェは見知らぬ世界の魅力があって、もちろんいいけど
邦画で出てくるカフェはどこか身近な気がして、それはそれで、よい。

妹と久しぶりに会ってもテンションは変わらず。
よくある再会のテンションで「久しぶり~」だの、「元気?」のやり取りはない。でも実際はその方が自然であり、よくある風景だ。

次は、職場の帰り支度の風景。更衣室らしきところでアパレル社員が化粧直ししたり着替えたりそれぞれに話をしてる場面。何について話してるのか、いまいちわからないけどそれが「ふつう」っぽくてなんだかよい。主人公はアパレルの事務らしい。

主人公がうちへ帰り、部屋着に着替え、夕食を作る場面。なにやら、ズッキーニやらパプリカやらおしゃれな食材を使って、呑みかけのワインを入れたり、自家栽培してるらしきハーブ?をベランダから取ってきて入れたりひとり暮らしだけどきちんと料理はしている(私には無理・・・だった)
出来たご飯を黙々と食べる。もちろん独りで。留守番電話は聞かなかったふりをして。

部屋は1LDKくらいだろうか?ひとり暮らしにはゆったりな感じ(うらやましい)
室内の照明も不自然な明るさはなく、落ち着いた明かり。むしろ暗くて顔に影がかかるくらい。

突然押し掛けてきた妹にカリフラワーのぬか漬けをだしてみたり。

あまり化粧っ気はない割には、鏡台を持っていて、なにげに化粧水やら香水らしきものやらが並んでいる(遠慮なしに使う妹)

休みの日は「トルソー」と一緒にレンタルカーでドライブ。海辺でまるで
「恋人」と過ごしているかの如く、テンション低めの主人公にしては、はしゃいじゃっている。

あからさまな山場もない。いや、ちょっとあるか。

見る人によっては「サスペンス」にもなりうるし「ホラー」にもなるのかも。
だけど人の暮らし、生き方、習慣、こだわりは時に他人には理解不能で
世間一般の常識に当てはめて考える時代でもなくなったのだから、
これは「日常」のドラマである。と思う。
時々、ふと見たくなる一本。

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さいごまで読んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです(o^―^o)!! 貴重なあなたの時間の一部が、よいものとなりますように✨