7時のスマホの目覚ましがなって起きる。
スヌーズにはせず、
そのまま止めて二度寝する。

時間はだいたい朝だと分かればいい。
9時までに起きれば朝ごはんにありつける。

8時頃のそりと起きてリビング(と呼んでいるが、一軒家の見た目はリビングだが
ホールと呼んだ方が正しいのかも)
によると、職員さんが
｢おはよう。｣
と声をかけてくれる。

コロナが流行ってから必須になった毎食前の体温を測定をし、

ご飯を食べながら、
朝のニュースを見る。

早々に食べ終わり、食器をさげて、ほぼ流れ作業のようにお薬を貰い、服薬すると、
歯を磨いて顔を洗い、ベッドに戻る。

だから朝のスマホはスヌーズにしなくていい。
朝だと分かればいい。

今日は訪問看護の日だと思い出したので、
眠るわけには行かないことを思い出し、
軽く、自室のローテーブルの上の
絵を描いた後をかたづけ、
掃除機をして

髪を束ねながら洗面所に向かいつつ、
メイクポーチを掴む。

訪問看護は外出ではないので
身綺麗に見えてればいい。

春の陽気は心地よく、9時頃になると眠くなるので、眠ってしまっているおかげか

1年前に、
涙袋に住み着いていたクマはもうない。

顔色もよく、最近寝不足知らずの肌は、下地が馴染み、伸びがいい。

フェイスパウダーをぽふぽふと付けて、
眉毛を整え、薄づきのリップをするだけ。

終わった頃に

ぴんぽんと音がして
訪問看護の女性職員さんがやって来る

部屋に入るなり、
｢春っぽい服だね。｣
と褒めてくれて、嬉しかった。
色々なことを話す。メンタル以外にも近況とか
食べて美味しかったこと、風が冷たい日、
暖かい日のこと。

それだけのこと。

壁に飾っている絵を褒めてくれた。
｢綺麗な絵だね。｣

｢ありがとう。絵の具で描いたの｣

綺麗な花の絵。

なにも派手な出来事は起こらず、
絶望するような出来事もない。

穏やかさと落ち着きとほんの少しの揺らぎと
もどかしさを抱えながら。

私はひっそりと咲いている。