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経営の恐怖と戦う方法

経営には常に不安や恐怖を伴う。
鬱症状を波のように繰り返す経営者もいる。
経営状態が良い時もあれば、悪い時もある。
そこで、今回は経営の恐怖と付き合っていく方法について書き綴っていく。


前提:不安や恐怖は無くならない

前提として、不安や恐怖は無くならない。
恐怖が強い時もあれば、殆ど恐怖が無い時もある。
しかし、不思議と周期的に繰り返す。

恐怖と上手く付き合っていくのは、「悪い周期」を早く終わらせること。
そして、極力「良い周期」の中に身を置くことが重要だ。

不眠症・鬱症状になったら

「悪い周期」の時、経営者は不眠症や鬱症状に成り勝ちだ。
これはある意味、普通のことなので、そうなった自分を責める必要はない。

不眠症は、体力を奪う。
体力が奪われると冷静な判断ができなくなる。
これには、薬での対処が有効だ。

鬱症状も、薬で随分緩和される。
不眠症と併発することが多い。

不眠症や鬱症状になったら、すぐに病院に行くことをおすすめする。
さっさと薬の力を借りてしまおう。

数値の「傾き」を把握する

経営上の数値を把握することは、不安と戦うために重要だ。
その時々の自分の感覚ではなく、数値として確認する。

例えば、先月と比べて、今月の売上が下がったことを気に病む人がいる。
しかし、実際には前年同月と今月を比べた方が正確に状況が分かることも多い。
さらに言えば、前期の一定期間を集計して、それを今期の集計と比較した方が良いかもしれない。

数値が悪ければ、何とかしなければいけない。
しかし、闇雲に不安を増長させても意味がない。
正しく、数値を分析する習慣を持つことが重要だ。

キャッシュを持つ

キャッシュ(現金)が少なくなると、経営者は焦る。
キャッシュフローは、可能な限り先まで把握しておくべきだ。
また、そのキャッシュフロー予定に対応したキャッシュを準備しておくべきだ。

銀行からの融資は、キャッシュを安定させる。
銀行と上手く付き合っていくのも不安と戦う方法の一つだ。
ただし、キャッシュフローの予定も立てずに融資を受けるのは問題外。

そもそも、私は毎年ある程度の税金を払いつつ、キャッシュを持ち越して、会社を増強させるべきだと考えている。
銀行からの融資など、必要ないことが理想だ。
下手な節税をしてキャッシュを減らすような行為は問題外。

固定的な収入を持つ

固定的な収入を持つと、精神衛生が良くなる。
固定的な収入とは、毎月一定額の売上を得る契約に限らない。
毎年、おおよそ同額規模の売上を得られる取引先との契約も含まれる。
いわゆる「お得意様」というものだ。

「お得意様」からの売上は、通常の集計とは別に集計して把握しておくと良い。
キャッシュフローを見立てるのにも、予算を立てるのにも役に立つ。
また、先に見込まれる売上を把握しておけば、不安と戦うのにも役に立つ。

取引先・事業分野を分散する

顧客、特に「お得意様」の数は多ければ多いほど良い。
1社からの売上の割合が多い場合は、その会社との取引が終わると影響が大きい。
逆に、売上が分散していれば、不安も少なくなる。

事業分野を分散するのも一つの手だ。
あまりにも大きく離れた事業分野に手を出すのは、経験上おすすめできないが、隣にある事業分野は抑えておくと良い。
もちろん、甘い気持ちで手を出すと焼けどする。

体を鍛える

経営者は、日頃から、体を鍛えておくと有利だ。
良いコンディションは、頭の回転にも影響する。
体力の余裕は、心の余裕にも繋がる。

ここ一番の無理をする時、体力がある人は強い。
逆に、体力のない人は、ここ一番のタイミングで心が折れてしまう。

変数を知る

何かに不安がある時。
不安の原因を考えることは重要だ。

しかし「自分では変えられないもの」をクヨクヨと悩んでいても仕方ない。
「自分でも変えられるもの」つまりは「変数」を知ることが重要だ。

「変数」以外は、変えようとしてはいけない。
無駄な時間、無駄な労力、無駄な精神的負担を負うだけだ。

不安や恐怖を「危機感」に変える

不安や恐怖があるからといって「危機感」を持って行動できるわけではない。
だから「危機感」を持てるかどうかが重要だ。
「危機感」は、全ての能力と感性を一回り強化する。
不安や恐怖は、後向きの感情だが「危機感」は、前向きのエネルギーを出すために有効な感情だ。

火事場のクソ力を出す

長く経営を続けている人は、必ず一度は体験している。
それが「火事場のクソ力」だ。

人間は、本当に追い込まれると「火事場のクソ力」を出す準備が整う。
その時、その力を出せる人と出せない人で命運が別れて来る。

まず一度、「火事場のクソ力」を体験すること。
そして、その時の自分の力を信じること。
結局は、これが一番重要なことなのかもしれない。


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