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プリンレジスタンス前夜


プリンとただならぬ関係になるのに、そう時間はかからなかった。

2020年春。
世の中は、世界中は、コロナ一色になっていた。

「どこどこで感染者が出た」「ついにあの県も」
「マスク買い占め。売っている店がない」
「コロナなのにパチンコ店に並ぶ人がいて…」
「なるべく外に出ないで…」

2023年3月の空気。自分一人ではどうしてみようもない、というか人類がどうしてみようもない現実と、ものすごい閉塞感。

後日、私も仕事で作っていた小説の原稿に書いたよ「コロナのバカ」って。

SNSにも、コロナのことばかりが流れてくる。

なんとも殺伐としたタイムライン。

眺めているだけで息苦しさを覚える。

そして、息苦しさを覚えるだけで何もできない自分に苛立ちが募る。

苛立ったところで、見えない敵に何もできない凡人だが、苛立つものはしょうがない。コロナムカつく。

コロナにもムカつくが、それで誰かに対して攻撃的にもなる世相にも哀しさと苛立ちが募る。

…これは、もう、やるしかない。

静かに、私は、心に決めた。

「一日一枚、世の中にプリンの写真を送りつけてやれ。強制的に見せつけてやるのだ!」

これは、世の中に対する、プリンを武器にしたレジスタンスの始まりであった。

2020年4月、プリンの乱勃発。
かくして、私はその後100日間プリンを食べ続けることになったのである。


続きはまた来週。
良きプリンの夢を。

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