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かきごおり

想い出話

初めてお店で食べたかき氷は
奈良の親戚と一緒に行ったお店で
中学生だったからか
細かいことは覚えておらず
ただ暑い時期で
茶屋のような場所で
かき氷を頼んだことが
そして味はみぞれにしたことが
しっかりと記憶に残っている。

「もっとおしゃれなものを食べたらいいのに」
みたいなことを
連れて行ってくれたおじさんに言われて
「シンプルなものが好きなの」
と通ぶった子どもだったのだろう。
大人と一緒に
シンプルなかき氷を食べて
通を気取り
神話が好きだったため
神社仏閣を嬉々としてまわったあの頃……
いまも好きだけれど
熱心に語り
関連するものはないかと探し回っていた
あの頃の自分に会ってみたいと
夏になると、よく思う。

7/25 かき氷の日
というワードを見て
少し前にオープンして気になっていた
かき氷屋さんへ足を運ぶ。
ピスタちお
完熟りんごのブリュレ
みたらしKINAKO
ふたごのかぼっけ
など
見たことないものがメニューに並んでいた。
生いちごか生メロンにしよう
自分自身がシンプルに果物が好きなのだ
だから、かき氷も果肉を使ったシロップに
心惹かれてしまう。
いちごが売り切れていたので
メロンを選ぶ。
ゴロゴロと果肉が入ったかき氷に
濃厚なシロップが美味しかった。

そんな贅沢なかき氷を食べた後
温かいお茶を飲んで
ふぅと息を吐く。
そして
「みぞれ、食べたいな」と思った自分に
少し笑ってしまった。

どこかのお店で
「みぞれ」を食べたら、きっと
あの夏の自分と少しだけ話ができる
そんな気がしているからかもしれない。

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