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「普段」=「不断」

いろいろ心があくせくした週末だったように思う。
現在、東京行きの新幹線の中。
指定席だが、かなりの乗車率である。

思えばいろいろあった。

◯一昨日
再びのラグビーワールドカップで、ワクワクして東海道新幹線に乗った。乗ったはいいが、乗って早々、「明日は終日、新幹線は運休する」というアナウンス。
金曜日の試合だったので、翌日帰る予定が狂う。
焦って、連泊の予約に切り替えた。

ラグビーワールドカップ自体は、雨が降っていたが楽しめた(帰りの混雑は、ご愛嬌だ)。

ホテルも、浜松駅から近く、特に困ることなく就寝に至った。

◯昨日
「命の危険に関わるレベル」といわれたハギビス。上陸の日である。

特に出歩けるところはなく、ホテルの朝食を食べて再び昼まで寝た。ある種、贅沢な時間の使い方かもしれない。
昼過ぎに様子を見に、駅周辺を歩いた。

驚いた。街の時が止まっていた。


前日のアナウンスの通り、東海道新幹線は終日運休。在来線の東海道線も運休になっていた。
駅ビルも、百貨店も臨時休業。バスターミナルも封鎖状態。
「何もない」ということに、恐ろしさを感じた。
これからとんでもない異常事態が起こるのだろうという、自分の想像を恐れた。
食料のないコンビニもまた、それを助長した。
奇跡的に物資が届いて、想像は自分に牙を向けることを留めた。
天候は吹き降り。でも、そこまでじゃない。

テレビはずっと台風を報道した。
災害通知メールのアラームが怖かった。
特別警報とか、レベル5とか、嫌でも覚えた。

ただ。
浜松は穏やかだった。そして、20時過ぎ、雨も風もおさまった。
若干、街も穏やかになりつつある感じだった。

◯今日
快晴だ。まぶしい光で目を覚ました。
しかし、昨日の八王子、横浜の様子や、千曲川の堤防が決壊し、水に浸かった街の様子を見て、「尋常ではない、異常だ」ということを知った。

新幹線は始発から時刻通りの運行。券売機で指定席も手に入った。
そして今、帰路についている。

こういってはなんだが、ボクは何ともなかった。
トラブルらしいトラブルも、2泊したことくらい。でも快適なホテルでの2泊なのだから、トラブルとは言い難い。

新幹線に乗る直前、思った。
「普段通り」がどれだけ幸福かを。

「普段」=「不断」だというらしい(「不断」の当て字なんだと)。
ずっと続いていること、それが断たれるから、人は怖がり、悲しみ、驚き、憤るのだろう。

ボクはたまたま「普段」の側にいた。
しかし、現に断たれてしまった側の人たちがいる。

そう。たまたま。
私的理由とはいえ、家族から離れての一人旅。
そのまま命を落とすことだってありうる。

寺社巡りが趣味で、いつもお祈りをしていた。
それが「普段」だったから良かったのか。それはわからない。

いろいろあるが、日本はまだ平和だと思う。
平和が「普段」になって、その日々が確かにボクをつくってきた。

今日も一日、「普段」で過ごせそうだ。
もっとその意識を出して、無意識的にならないようにしなければと戒めているのである。
そして、感謝である。

そして、「普段」でない方々へ。
どうか、どうか、ご無事でいらっしゃいますように。