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「0」の位置で「孤高」を味わう

上京するキッカケになった人に1年ぶりに会いに実家に帰った。
なんというかとても久しぶりで、どんな話しようかまとまらないまま来てしまった。

前の会社を辞めたこと、平日はバイトしながら活動していること。
ちょっとずつ広まってきたこと、開花しつつある能力のこと。

限られた時間の中で全てを語るのはとても難しく、箇条書きでまとめるに留め、あとは己の感性に従う形でぶっつけ本番で楽しんでしまおうと思った。

実際にお会いすることで喜びが爆発してしまい、とにかく楽しくって仕方なくなったのはいうまでもない。

盛り上がって楽しいとか、面白おかしくて楽しいとか、色々な「楽しい」があるけれどこれは「理解」故のやつだ。楽しいというより嬉しいんだこれは。

嬉しくって泣きそうになった。
そうだよなぁこれが「対話」ってやつだよなぁ。

同じくらいの感覚で、視座で、領域で、やり取りできることが心の底から嬉しいんだ。もう超嬉しい、本当に良かった、最高。

思えば長かった気がする。

これ以上傷つきたくないから壁のように「理解されないから〜」なんてことをアイデンティティにして閉じこもった。
それでは孤独にしかならないと思い「人の理念を見る」ことで広義に仲間であるという認識を得た。
そして「人間としての竹内晶貴」の傷の深さや弱さを味わうことで、コミュニケーションの解像度が上がった。

抽象画からクレヨン、鉛筆を経て「目に映る世界」がはっきりするようになった。

人間としてのまさき君を育てることで関係性に「温度」が加わり、温かいか冷たいかが今までよりハッキリと認識できるようになってきた。

螺旋階段を昇るように同じテーマの気づきの深さが変わり、約5度目となる「自分を信じるってこういうことかぁ」を体験している。

ようやく「孤高」であるということが「0」の位置で、まるで携帯を持つような感覚で触れることができるような気がする。

孤高になりたいでも、孤高でなきゃいけないでもなくただただ「孤高」であるという感覚。

決して「孤独」ではない。「孤高」なのだ。
「傷」というものが軸に形成された「理解されない」という価値観。
自分の傷というものを味わって癒せば、この「孤高」という気持ちはただの傲慢な感覚で解消されると思っていた。

でもそうじゃなかった。シンプルに孤高だった。
同時に、常に共にあるこの寂しさの感覚も変わっている。

これからどんどん広まっていくという確かな「予感」と一抹の「不安」が混在している。

また俺は俺の満足のためにこのアテのない、先の見えない道を一人で歩いていくのか?せっかく人がいるところに出てきたのに。もう行かなきゃいけないの?

でも根っこではわかってる。
いかないといけないし行きたい、我慢できない。
でもまた一人で歩き続けるのは嫌だ。

そんな葛藤が心の深いところであって、直視することもなかなかできずにいたみたいだ。

「でもなぁ、お前が目標に向かってらしく突き進んでいくほど、それはお前独自の道だ、世界だ。だからどう足掻いたって一人になる。夢を追いかけて孤高になるか、周りに合わせて生きるのか選ぶ時がきたんだよ」って言われてるような気がした。

決して不貞腐れず、投げやりにもならない。
「どうせ」なんて人生の被害者になるのももう十分やった。
どれだけ親しまれても、愛情深く接してもらっても、俺自身が求めるものは俺自身が一番よく知っている。

今見えるこの目の前の道の先にしかきっとそれは得られない。
誰が良いとか悪いとかじゃあないんだ。
ただそういう道を歩きたいだけなんだ。

どちらかを選べと言われたら、俺は自分が掴みたいもののためにこの孤高の道を歩く。でも決して無理はしない。孤独にもならない。

ちゃんと繋がっている「糸」をその手に感じて、俺は俺らしく突き抜けていく。
この時代の一人の先駆者として、背中で魅せる人間になるんだと。

風のように飄々と、水晶のように眩く、花のような優しさを持ってこの道を歩いていく。

そんなことを考えていたら不意に父から「施術してくれ」と頼まれた。
そういうエネルギー的な感覚とか話とか関心がなくて、しかも実の父親。

抜き打ち試験みたいな感じで今の自分の気持ちを確かめる意味でもあるのかと思った。

いつものように、ただ自然に、浸透するように触れる。
家族である以前に一人の人間なのだと、そういう気持ちで施術させてもらった。

結果は良好。かなり良かった。
喜んでくれた様子を見て、何か変わったような気がした。

そっか、俺はもう父親に、自分が好きでやってることで役に立てるんだ。
信念持ってやってるものをぶつけるみたいなことが、ようやくできるようになったんだ。

積んできたことの集大成が期せずして行われてしまった事実とそのあっけなさにしばらくぼーっとしてしまった。

隣でネコがこっちを見てる。
撫でようとすると逃げるくせに、こっちがそっぽ向いてると近寄ってくるんだ。
不完全燃焼感があるから撫でたらちょっと噛まれた。

なんだよー、ちょっと寂しいじゃねぇか!
・・・でもいいのか、これが進むってことなんだから。


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