見出し画像

臨機応変、即興力をつける方法

定期的にネットのニュース媒体で「ジャズ型組織になろう」、「その場の判断で即興で動く」などのテーマで記事を見かけることがある。

多くはオーケストラ型組織からジャズ型組織へ、と、ビジネスの世界でいう、一人のリーダーが全体を指揮する(オーケストラ型)から、全体が自由に動く(ジャズ型)に変わろう。というものだ。

音楽の組織に良いも悪いもない。

ビジネスの組織のあり方を音楽で例えるのはわかりやすくするためであるとは思うが、つまりは、指示待ちの人ではなく、個々を認め、プロジェクトごとに目的を達成する、ということだ。

簡単に言えばティール組織だったり、オレンジ組織など、そのような組織論な話であるが、おそらくビジネス界隈の人がそのようなワードで話すとありきたりになり個性が表現できなくなるためのオーケストラ型、ジャズ型の持ち出しだろうと推測できる。

まずオーケストラ型が悪いとかジャズ型が良いなどはそもそも音楽にない。

その音楽に合ったあり方があるのみだ。音楽=ビション、とするなら何を演奏するかで組織が変わるだけだ。既存の組織がダメなことはそもそもない。音楽があり、結果、組織がある。

そして指揮者というのはオーケストラが楽器だ。ピアニストの楽器がピアノであるように、指揮者の楽器はオーケストラそのもの。それを演奏するのだから指揮するしかない。

つまり指揮者をリーダーとして捉える必要はない、ということ。ピアノを弾く人をピアノのリーダーと捉えないように、シンバルやバスドラム、タムなどの複数の楽器の集まりのドラムセットを演奏するロックドラマーをドラムセットのリーダーと捉えないように、指揮者の楽器はオーケストラなだけだ。

プロの演奏家は皆、演奏中、何かのトラブルで指揮が見えなくなったとしても、音楽を破綻させずに演奏を続けるれることが普通だ。

各楽器にリーダーがおりその人が実質のパートをひっぱり、全体の音楽を作っていけば、メロディや演奏を聴いて耳で合わせることもできる。

音楽自体がビジョン

音楽の本質的な指揮は、音楽そのものだ。音楽のメロディを聞けば、進み方がわかる。この音楽はそもそもビジョンと言える。ビジョンがあるから達成できる。

指揮者がいないと絶対できない演奏もあるだろう。それはギターにとって弾きやすいフレーズがトランペットでは吹くのは不可能なように各楽器固有な特徴なだけだ。

そのため組織論としてリーダーと捉えるのは私の感覚からするとあまりしっくりこない。楽器と捉える方がしっくりくる。

つまり音楽の組織はジャズは個々で即興でやっているから良い、とか(そもそも初期のジャズは即興がほぼない。今にも続くジャズビッグバンドはアレンジベースだ)オーケストラ型が悪いとかではなくビジョンのためにその形になっているだけだ。

ただただ全て素晴らしい。

アドリブ・即興的にできる人になるためには

ここで、ジャズでよく言われる即興というのはどのようにやるか。を書きたい。

これはさまざまなものに転用できるので頭の整理に書きたいと思う。

まずアドリブで演奏するときには、そもそも猛烈に練習している。練習なしで適当にふわって空から降ってくることはない。

知り合いにジャズミュージャンがいたら是非聴いみてほしい。アドリブって練習しないの?って。答えはノー。猛烈に練習したから弾ける。

事前に沢山の音楽の構造や、楽式、展開のパターン、フレーズ、モチーフ、それらを分析して自分なりに整理、そしてアウトプットで試す。これらを猛烈に繰り返す。

それらが下地になり、それらを使ってアドリブで演奏が可能となっている。

ビジネスに例えるなら、現場でも原稿をみずにすらすら喋れる人がいる。あるいは要点のみの記載でどれだけでも喋れる人がいる。その場で判断で動ける人がいる。

これは、そもそもそのジャンルの情報収集をしていて猛勉強をしてたり、飲み会やYouTubeでとりあえず話すなどのアウトプットの機会を沢山作っていて、そして反応に合わせて自分なりに整理をかけてく、上記のプロセスを自然と何回も行なっているはずだ。その場で判断で動ける人も小さな小さな場数をたくさん踏んでいることになる。

10や20じゃない、100や200当たり前。1000や2000くらいのことをしているのも普通だろう。

少なくとも僕はジャズの楽曲を証拠としても590曲は弾いてる。

本だって一冊読んだだけでは知識にならない100、200、1000、2000と読んで確かになる。当然これらを上記のようなプロセスにかける必要がある。ただ読んでるだけでは意味がない。

ポイントは、自分で整理するときの仕方と、アウトプットするときの組み合わせで使うか。これはどのようなプレゼンを受けている時でもこの辺が苦手な人は資料に頼り同じことを言っていることが多い。

画像だけを見せてそのまま目をみて話してくれれば、話が進んだのになぁ、なんてことはちょこちょこある。

おわりに

何か新しいアイディアを求める時は、社員の個々を認めてそれぞれにビジョンを持たせてあたらせるためには、即興力、アドリブ力は強いだろう。

その一方で劇的に世の中を変えてしまう、そんな凄いサービスなんかはリーダーシップで引っ張り、その人のそのために仕事をオーソドックスに完璧にこなす人もまた強い。

それより何よりも、どちらも相手の心を動かすことには変わりはない。あなたの合ったプロセスはどちらだろうか。

日々のつぶやきは、

みてるだけで音楽教養かも、かねこのジャズチャンネル

ジャズピアニストかねこ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?