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「生活のための世界平和」

【ご案内】
この度、京都芸術センターとの共同実験として、リサーチ事業を行う運びとなりました。
事業名は「Cultural Canal Curriculum」。学校の授業記録である「教育実践記録」をリサーチ、再編集し、その中の爆発的なモーメント「教室という名のフロアが上がった瞬間」
を繋ぎ合わせることで、教育におけるヒップホップを開発してみたいと考えました。

既にリサーチは始まっていて、その過程で松田道雄という明倫小学校(現在の京都芸術センター)出身の小児科医で文筆家だった人物に出会います。この松田道雄さんの事を京都芸術センターと共同でリサーチする事で、リサーチ成果が施設と市民の共有財産の様な形で育ってくことを願っています。
今回のリサーチ事業はその成果を、市民社会に還元させる事を目指すものですが、そもそも市民とは何か?と考えますと、それが判然としないのが私です。松田道雄は市民についてたくさん考えて、多くの文章を書いた人物なので、松田道雄のリサーチを行う事で、同時に「市民」についてもリサーチ出来ることを期待しています。

松田道雄の市民像がよく現れていると思われるものとして「文化運動としての保育」という講演記録があります。京都市は財政難から、今年度から民間保育園の保育士給与への補助金を大幅に削減するというネットニュースを読みました。しかしその後、京都市内の保育の現場が実際にどうなっているのかは、恥ずかしながら調べたことがありません。この機会に市民(見習い中)の1人として松田道雄の「文化運動としての保育」と絡めながら、関西圏(主に京都市)の保育園の現状のリサーチを行いたいと考えています。
ここからはアイデアメモになります。今朝方考えたことをまとめました。
税収には限りがあるので、その限られた中から予算を割り当てられたとして、今度は他のどこかに皺寄せが行く。それだと根本的な解決にはならない。皺寄せがどこにも行かずに遠慮なく使える予算はないか?考えたとき、安直な発想ですが、国の膨大な軍事予算を、市民の生活のための予算に回せたら一番良いと考えました。しかし世界が本当に平和にならないうちは、他国からの侵略の可能性にも備える必要があるので、軍事費用の削減は行えない。世界平和が実現し、世界中の国々が軍事予算を市民の保育、教育、福祉を含む生活の予算に回せる状況を目指しながらも、それが実現するまでの間は創意工夫をしながら、保育に充てられる収益を生み出す必要がある。
京都市は世界的な観光都市であり、観光収益で潤っているのかと思いきや、宿泊施設などは、外国や、東京、大阪の大都市に拠点を持つ会社が出資、経営している場合が多く、京都市に入ってくる観光収入というのはそれほど無いのが実情と聞きました。そこで世界各国から観光客が沢山やってくる京都市特有の状況を活用して、保育園にお金を回す仕組みを、大変僭越ながら考えたので、以下にその提案を紹介させて頂きます。

これまでの世界平和はどちらかというと、理想主義者や、平和主義者や、社会運動に携わる一部の意識の高い人たちのものというイメージがあったように思います。そんな「世界平和」をもっと生活する人全員のものにするために「生活のための世界平和」と言ってみます。戦争が始まる際には「生活のための戦争」の必要が囁かれるといいます。それを、先回りする意味もあります。美しい理想のためではなく、それぞれの目の前の生活のための条件として世界平和が必要だという認識転換を自分の中で起こす必要があります。偉大な人物によって唱えられて実現される世界平和ではなくて、普通に当たり前に絶対必要なものとしての世界平和、臆面もなく自分が考えた事みたいに書いてますが、わたしが遅れているだけで、世界は既にそういう話になってきているに違いありません。その流れに乗りたい。

戦争ほど無駄で、破壊的で、市民を不幸にするものはないというのは、世界の市民にとって共通の真実だと思います。世界中から京都に集まってくる観光客の皆も同じ思いである筈です。市民という意味では観光客の皆さんも同じ市民ですから「生活のための世界平和」に共感してくれる可能性は十分に見込めます。この「World Peace for Life」キャンペーンを世界的な観光都市、京都から繰り広げます。キャンペーン内容は簡単で、グーグル翻訳で「生活のための世界平和」を世界各国の言語に翻訳、そのシルクスクリーン版を作ります。そして(ここは私のアイデアになってしまうのですが)平和の象徴として、河童のイラストを世界中の市民・アーティストから募ります。例えば日本にとって一番の軍事的脅威である中国、その中国出身のアーティスト、アイ・ウェイウェイ氏に河童のイラストを描いて貰う。そのTシャツを着用した中国を始めとする世界各国からの観光客の方々が京都の街を観光する。Tシャツの背中にはQRコードがプリントされていて、そのTシャツが欲しいと思ったらQRコードを読み取れば、プリント工房である京都芸術センターまでのアクセスと、イベントの詳細情報と、世界各国語訳された「河童憲法全文」を読むことが出来る。このプリント工房でTシャツを手刷り体験を有料にして、その収益を京都市の保育園への寄付にする。当キャンペーンに賛同した大手アパレル企業も「生活のための世界平和」キャンペーンに連盟し、「生活のための世界平和」Tシャツの売り上げを各店舗の所在地の保育園を始めとする予算の足りない教育・福祉施設へ寄付する世界的な「文化運動としての保育」&「生活のための世界平和」ムーブメントが起こる。この運動の良さはスローガンがシンプルだから、グーグル翻訳で世界各国語に正確に翻訳されるのが期待できる事、服が広告の役割を果たしてくれる事、観光で観光客が市内を歩き回る行為がそのまま宣伝行為になる事、観光する事が地域貢献・平和運動になる事。また観光客の皆さんが帰国後も自国でこのTシャツを着用頂けたら、そこから新しいコミュニケーションが広がる事も期待できる。

当事業のサブタイトル「河童曼陀羅」は作家、火野葦平の著作名。従軍記者として前線で戦意高揚の文章を書き続けた葦平は、戦争が終わった後、河童をテーマに、沢山の小説、随筆を書きました。葦平にとって河童は平和のシンボルだった様に思えます。『河童曼陀羅』はその集大成といった感じの本で、葦平が友人、知人にお願いして描いてもらった河童のイラストが掲載されています。友人らは「上手い下手は関係ないからとにかく河童の絵を描いて欲しい」と葦平からお願いされたそうです。この『河童曼陀羅』の発想を真似して、世界中の市民(アーティスト)たちに河童のイラストを提供して貰い、観光都市京都に河童曼陀羅を出現させます。「生活のための世界平和」キャンペーンを世界中から観光客が集まる京都から発信します。
キャンペーンにはTシャツを使います。無地のTシャツを持って来てくれたら、そこに世界各国語に翻訳した「生活のための世界平和」というキャッチフレーズと、平和の象徴としての河童のイラストをプリントします。このプリントを1刷り五百円〜として、キャッチフレーズとイラストで合わせて千円〜、更に有志の方にはQRコードを背中にプリントしてもらって、京都芸術センターまでのアクセスのリンクにそこから飛べる様にします。このプリント事業の収益を全額京都市の保育園に寄付します。

(生き物からみたら、人間の存在が戦争みたいに無駄で、破壊的に見えるのでしょうけど、私は残念ながらまだまだ人間中心的、自分中心的に世界をみてしまっているので、今は市民という視点から考えています。市民の中に人間以外の生き物が含まれていないのは何か問題があるかもしれません。そこは今は保留にさせて下さい。)

また、何か思いついたら書かせて頂きます。アイデアスケッチでした。


被服獣


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