コーディ・デンプス選手まとめ

8月3日。富山グラウジーズ公式から待望のリリースがあった。

外国籍選手の加入である。
名前はcody demps。(以下デンプス)

富山グラウジーズ公式HPではPGと記載があるが、proballers.comによれば過去のシーズンではSG登録となっている。
(とはいえこのサイトではブライス・ジョンソンもSF登録になっていたのであまり気にする必要はないのかもしれない。)

今日はこの選手について考えていきたい。


1、コーディ・デンプスはどんな選手?


知らない方のためにまず彼の簡単な経歴から。

コーディ・デンプス
年齢:28歳 
身長:195cm 
体重:88kg 
ポジション:PG(SG?)
経歴:
◆2017-20
NBAの下部リーグのチーム、サクラメントストックトンでプレー。
◆2020-21
NBAの下部リーグのチーム、G-League Ignite(※)でプレー。
※将来有望なトップクラスの若者選手を1年間かけて育成する、NBAが新しく開発したプログラムの一環として創設されたチーム。
◆2021-22
イスラエルのバスケットボールリーグのチーム、hapoel beer sheva(ハポエル・ベエル・シェバ)でプレー。チーム成績は9勝18敗。
デンプス自身は27試合中24試合に出場。(彼が出場した試合は9勝15敗)

また、アメリカ代表経験もある。

proballers.com
wikipedia

また、富山では背番号は8番をつけるとのこと。


2、第一印象


長身のガードであり、ペイント内ではフローターやユーロステップなど、多彩なフィニッシュ方法を持つ。
かと思えば外もあり、キャッチ&シュートだけでなく、ドリブル1on1の形からのアウトサイドシュートもお手の物。
P&Rの際には外がある為、ロールマンに広いスペースを与えてアシストを演出する。

岩沢の主観では ”宇都直輝とドリュー・ヴァイニーを足して2で割った選手” という印象だ。


3、抜けたクリエイター達の穴を埋める存在


富山はクリエイター役を担っていた宇都、ラモス、マブンガの3人を放出した。

バスケットにおいてクリエイト力というのは価値が高い。

それはスクリーンを絡めたセットオフェンスで代替可能ではあるが、その場合はスペーシングの整った状態であることや、味方同士でタイミングを合わせること、発動までに下準備の時間を要するといった制約がつきまとう。

しかし、ドリブラー単独でDFとのズレを作れるならばこれらの制約を負わなくていい。

ショットクロック、かける人数、スペーシング、意思疎通のエラーリスク。
そういったコストがかからず、一瞬にしてDFとのズレを作り出し、イージーシュートのきっかけを作る。

そんな能力を備えたクリエイターという人材は貴重な存在である。

デンプスにはその能力がある。

さらにハイライト映像では宇都、ラモス、マブンガの能力を併せ持っているかのようなシーンも見られる。

ドライブと多彩なフィニッシュ。
相手の速攻を背後からブロックするチェイスダウン。
ショットクロックが少ないピンチから独力で得点する1on1。

今オフに抜けたクリエイター達の穴を埋める存在と言えるだろう。
(イケメン要素も含め)

非常に楽しみな選手である。

また、こちらの動画の0:16の速攻を見てほしい。
このスピードの乗り方。
途中にかますクロスジャブ。
DFを置き去りにし、最終的に1on0でショットをメイクするこの姿。

これは背番号11をつけたやんちゃなフロアリーダーを彷彿とさせる。

このプレーが好きなグラブーは結構多いのではないだろうか?
(とりあえずシーズンでは一試合最低2本お願いします)


4、懸念点


楽しみな選手が入ってきたが、他方で私は彼について気になる点がある。

それが昨シーズンのスタッツがマブンガに似ているという点だ。

マブンガ
MIN 28.0 14.7pt 3FG31.7% FG42.4% FT64.0%    5.2Reb 6.1Ast 0.6St 3.2To 

デンプス
MIN 29.3 15.3pt 3FG35.6% FG44.3% FT65.1%    4.0Reb 2.4Ast 1.2St 2.6To

https://stats.basketballnavi.com/player.pl?pl_id=1242
https://www.proballers.com/basketball/player/75718/cody-demps

非常にそっくりではないだろうか?
それも一昨年ではなく、『昨シーズンの本調子ではないマブンガ』にだ。

平均得点と3FG%はほぼ同じ。
(FG%も似た数字だが、これについてはPGとしては決して悪くない数字と言える。)
ここについては問題ない。

問題はフリースロー確率の悪さとターンオーバーの部分である。

ターンオーバーはややマブンガより少ないが、アシストの数値の差からアシストパスの試行数がそもそもマブンガより少ないと予想できる。
つまり、マブンガよりTOのリスクが少ない中での数字だ。

正PGとしてこの数字は如何なものかと引っ掛かる。

ハイライトのようなプレーを常時やってくれるならとんでもない選手だ。
しかし、ハイライトでは試合を通じてそれらのプレーをどの程度の頻度で行っているのかがわからない。

ここは懸念点である。

ちなみにデンプスの平均出場時間は29.3分と長いが、ハポエル・ベエル・シェバにはこれより長い選手がさらに3人いる。

チームには16人の選手が登録されているが、プレータイムの内訳をみるとほぼ9人ローテで回しているのだ。

これがどういう事情なのかは分からないが、ここで気になるのは

・彼はプレータイムが減ればその分精度が上がるタイプなのか?
・マブンガのように長めのプレータイムがパフォーマンスを上げていく上で絶対条件なタイプなのか?

という点だ。

これがどちらなのかによって懸念点が変わる。
前者であれば浦野と野崎がPG枠のプレータイムをどこまでシェアできるかどうかがカギになる。
後者であれば昨シーズンのマブンガのように「ある程度のTOとショットミスを覚悟しながら大きなリターンを狙って起用する」運用になる。
(それでまた波瀾万丈富山になるのも悪くない、と思う気持ちも少しあるが)

ここは気になるところだ。


今年のオフは比較的目立った補強の無かった富山だが、
ここにきて期待あり、不安ありの面白そうな選手が入ってきた。

8人が残り、チームの始動も早い連携の高まった富山と彼との融合が楽しみである。

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