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新卒は3年がんばるべきなのか

4/1は多くの企業の新年度となり、新卒一括採用を行っている企業の入社式です。当社も例に漏れず、入社式を無事に執り行うことができました。

さて、春は新しいスタートであるとともに、2年目・3年目がキャリアに悩む時期です。
・1年で辞めたら次が見つからない
・1年勉強し、2年目で自走する
・3年は転職しないで頑張るべき
・30代はライフステージの変化が大きいから転職しづらい
・40代は転職には遅い
◯年目まで転職してはいけない、◯年目が転職し時!という情報が巷にあふれるので、なんとなく次のステップに踏み切れない人も多いと思います。

今回は「石の上にも3年は本当か」を考えてみようと思います。

その前にまず、みんなどのくらい同じ企業に勤めているのか、日本全体の平均勤続年数を見てみます。

「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると企業全体の平均勤続年数は12.4年です。 男女別では、男性の平均勤続年数が13.9年、女性の平均勤続年数が10.1年となります。

国税庁

平均は12年くらいですね。
これ、長いか短いか、どう感じますか?
新卒の方からみたら、大卒22歳から入って、34歳は長いですよね。
今の会社にそんなに居られるかな…って思いませんか。私は思います。笑

でも48歳から60歳だとどうですか。
例えば、日本に未だ多くある年功序列企業だと、現在40後半の方が定年までいるだろうな、って容易に想像がつきませんか。

人生の長さって今まで自分が生きてきた長さのうちどのくらいを占めるかで
感じ方が変わるという話があります。
2歳の子の1年は人生の半分だけど、50歳の人の1年は1/50。
その上、生き物は若いうちのほうが吸収力も成長力も身体能力も高い。これは生物学上当たり前です。
さらにこの半世紀の世の中の変化スピードは過去の比ではない。

その中で、50代の人に理由なく「3年はやってみろ」と諭されても、ね。
30年前の3年と今の3年では時間の与える影響度合いって全然変わっています。
上司の背中をみて、デジタルデバイスもなく、習うより慣れよで習得してきた世代と、
デジタルネイティブで時間内でどれだけのパフォーマンスを出すかを無駄を極論まで削りながら考える世代。
同じものを習得するのにかかる時間は大幅に削減されるのではとも思います。
また、どんな仕事なのかによっても習得出来る年数って全然違います。1年やれば一人前扱いされる職種もあれば、5年頑張ってようやく新人扱いされなくなる仕事も。それは職種・会社と色んなカテゴリがあって、そのどこに属しているかで周囲の感覚は変わってきます。
例えば同じ仕事でもベンチャーと年功序列大企業であれば、ベンチャーの方が圧倒的に業務に携わるスピードは早い。でも扱える商材やお客様の規模は大企業の方が大きい。本人が求めるキャリアイメージによって「どこが一人前なのか」が変わってきます。
それを自分で見極めることで自分はこの会社で◯年まで頑張ろう、が決まってくるかなと。
正確には、時間軸ではなく、何が出来たら、出来るようになったら、という自分の成長軸で転職時期を決められるようになると思います。

今年新卒で入った人たちも、入社後ギャップにぶつかって、何か違うな、このままでいいのかな、と考える人が出てくるでしょう。
この時、3年は頑張るか、と無意味に通説に踊らされないでほしい。

前述したように、職業によって何年で習得出来るのか、一人前なのかという考え方は変わります。自分では情報が少なすぎるときは、会社で活躍している方に聞いてみてください。
それによって、あと1年で成果が出る可能性があるのか、実は10年かかるのか、会社から見る「石の上に◯年」が見えてきます。

そしてあなた自身がその年数に耐えられそうか、その年数頑張るモチベーションを持って入社しているのかを考えてみてください。

希望した会社でも入社後ギャップからとても頑張れないと感じる人もいれば、仕方なく入った会社だけど、思いの外仕事が面白かったり、先輩にすごい人がいたり、モチベーションが途中で上がることもよくあります。
一人前になったな、と思ってもその後、難易度の高い仕事に挑戦したり、後進育成に面白みを感じることもあります。
ライフワークバランスがマッチして、良いバランスで落ち着くこともあります。

大事なのは数字や世間の概念ではなく、自分が求める形に近づいているか、を自分で判断していくことだと思います。

あと、忘れないでいただきたいのは、
その◯年を過ごす間、
・その会社で心身ともに問題なく働けそうか(体調・メンタルに支障をきたす環境はすぐに離れた方が良いです。その後自分を元に戻すのに、とても時間がかかる)
・モチベーションを自分で見つけられそうか(ちなみにモチベーションを会社や他者から与えられようとするのは間違いです。自分で探すもの)

まずは石の上に何年いるべき仕事なのか、を見極めてから、自分をそこに投資するか、他の道を探すのか、考えてみたらいいかもしれません。

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