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自給自足カレッジ11

前回は、人間の皮膚と常在菌との共生関係と多様性を持つ常在菌を自分の住んでいる土地に適合させる事の重要性について書きました。
今回は、その続きで人間の腸内細菌との共生関係について書きたいと思います。
前回、人間の遺伝子数は稲やネズミよりも少なく、人間は微生物叢と共生関係を結ぶ事で環境適応力を手に入れ、北から南まであらゆる地球環境に適応出来るようになったという事を書きました。
イギリス人のサイエンスライターであるアランナ•コリンさんが書いた「あなたの体は9割が細菌」という本がありますが、その本には、様々な病気は人間の持つ微生物叢の乱れから来ているという事が書かれています。糖尿病、肥満、自閉症、アトピー性皮膚炎、不眠症、うつ病、腸疾患等々、様々な病気とその人の腸内細菌叢との関係が、この20年ぐらいの研究成果として発表されてきていますが、新しい研究分野で、まだまだ分からないことも多々あるようです。
アラナン•コリンさんは、若い時にアフリカで生物研究者としてフィールドワークをしている時に、細菌性の難病に罹り、イギリスで徹底的な抗生物質による治療をしその難病からは回復しましたが、抗生物質を多用した事で、それまで持っていた体内細菌叢がダメージを受けて、その後様々な病気に悩まされた経験から、体内細菌叢の重要性に気づいたと言います。
面白い話としては、帝王切開で生まれた子供と自然分娩で生まれた子供では、病気になる確率が何倍も違うという事が載っています。母親が子供を分娩する直前にはその母親の腸内細菌叢が膣に移動し、分娩時に赤ちゃんが母親の膣を通る事で、その赤ちゃんは母親からその住む地域に適合した腸内細菌叢を受け継ぐ事になります。赤ちゃんはその腸内細菌叢に守られて、外敵から身を守っているというメカニズムが解明されてきているようです。アメリカの産婦人科では、帝王切開事には、わざわざ母親の膣から細菌叢を拭出して、赤ちゃんの全身に塗るという事をする事が多くなっているとも書いてありました。
もう一つ面白いエピソードとして、肥満体の人に、痩せている人の大便(腸内細菌叢)を浣腸して注入すると、痩せるという研究成果なども紹介されています。
日本人は、昔から発酵食品をよく食べてきていますが、最近では生きた菌で発酵させて、そのまま食べるという習慣が失われた結果、様々な自己免疫疾患等が多くなってきていると言われています。
抗菌抗菌とアルコール消毒や抗菌剤、抗生物質の多用等、菌やウィルスを敵とみなして、人間の側から攻撃するような事を行っていますが、元々菌やウィルスと共生関係を結んで多様な環境に適応してきた事を考えると、現代人の生き方、文明の方向性をそろそろ見直した方が良いのではないかと思っています。
自給自足カレッジでは、生きた菌を使って昔ながらのやり方で、味噌や醤油、漬物、納豆、等々を作る事も学べる機会を提供しようと企画していますので、是非ホームページ等を確認して、ワークショップ等にもご参加ください。

自給自足カレッジについてご興味のある方は、下記のURLから我々のホームページを覗いてみてください。

https://self-sufficient-life.jp

また、自給自足カレッジのオープンイベントとして、3月4日土曜日と3月19日日曜日にオープンカレッジについてご興味のある方は、上記ホームページからお申し込みください。また、下記のパンフレットもご参照頂ければ幸いです。

https://www.dropbox.com/s/dg57ep2gd3vi33x/IMG_1448.JPG?dl=0

ここまで読んで頂いて、ありがとうございます。

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自給自足カレッジ
小柴正浩



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