小柴正浩/自給自足カレッジ

還暦を過ぎ、私の人生の第三ステージが始まり、金融から農業へのウェイトシフトをしていると…

小柴正浩/自給自足カレッジ

還暦を過ぎ、私の人生の第三ステージが始まり、金融から農業へのウェイトシフトをしているところです。 次の35年は、 自給自足を学べる学校=自給自足カレッジを核にして、人が自然と共生しながら、分かち合いの心で生きていけるようなコミュニティ作りをしていく事 と考えています。 小柴

最近の記事

自給自足カレッジの卒業と移住〜自給自足カレッジ139

先週末は、自給自足カレッジ第一期生の卒業式と卒業パーティがありました。 1年間で、無肥料無農薬で四季折々の野菜と米作りを学び、東京から三重に田畑を借りて移住するソフトウェアエンジニア、大阪、京都市、名古屋からの卒業生も、自給自足カレッジのある三重県伊勢市多気町の田んぼを借りて米作りをする事を決めたり、東京からの他のオンラインの受講生も、横浜で田んぼを借りて米作りをする事を決めるなど、それぞれこの1年間学んだ事を元に、農ある生活をスタートさせていく形が自然と出来てきました。

    • 幻のやまびこ牛に会いに三重県津市美杉町に〜自給自足カレッジ139〜

      今日は、自給自足カレッジのある三重県多気町のVISONから車で1時間強、奈良県との県境方面に西北西に向かったところにある三重県津市美杉町のやまびこ農場に行ってきました。 肉牛を育てながら、お米も野菜も、お茶までも家族経営で営まれている片野さん御一家のお話を聞くと、素晴らしい家族愛、動物愛に満ちた自給自足の生活が肌身で感じられ、素晴らしい体験となりました。 まず、やまびこ牧場を訪れてびっくりしたのは、片野さんの御自宅の素晴らしさでした。 35年程前に神奈川県の小田原から三重

      • 日本で無毒性量とされるネオニコチノイド系農薬をマウスに投与すると❓〜自給自足カレッジ138〜

        神戸大学大学院の星信彦教授の研究で明らかになった、日本政府が無毒性量という微量のネオニコチノイド系農薬(日本の三大農薬のひとつ)をマウスに投与した場合、健常であるマウスとは異なり、異常に自己防御的な行動しか取らなくなり、リスクに対して過剰反応を示すようになるというのが、表題の写真から良く分かります。(詳しくは、星先生のYouTubeでの解説をご参照ください。https://youtu.be/h7gcwZlwu9g?si=y3F1PFhNJ3gdvycM) 前々回の投稿では、

        • 日本の残留農薬基準は緩和に継ぐ緩和〜ほうれん草1.5株で子供は急性中毒の可能性あり〜自給自足カレッジ137

          前回に次いで、神戸大学大学院の星信彦教授のYouTube上での講演内容からの抜粋です。 詳しくは、下記の動画を見てみてください。 なぜ、EUやアメリカでも使用禁止されているネオニコチノイド系農薬の使用を認めるのみならず、残留農薬基準を日本は緩め続けるのか❓ 環境脳神経科学情報センター副代表の黒田純子先生は、この動画の後半で、政府の農薬登録や再評価プロセスにおける利益相反の問題を星先生共々指摘されています。 よくこんな利益相反甚だしい仕組みになってるものだと驚くしかないで

        自給自足カレッジの卒業と移住〜自給自足カレッジ139

          日本の幼児は、三大農薬漬け〜水道水、野菜、果物の残留農薬の影響か❓〜自給自足カレッジ136

          かなり久しぶりの投稿になります。神戸大学大学院の星信彦教授がYouTube上にネオニコチノイド系農薬に関する最新の研究成果について解説しておられ、愕然とする内容であったので何回かに分けてその内容を書かせて頂きます。 表題の写真にあるように、かなりの確率(79.8%〜100%)で乳幼児が農薬に侵されている実態が研究論文の形で出てきています。 また、別途、その農薬に関する動物実験の結果についても解説されていますが、例えば日本政府が安全だという基準値(無毒性量)のネオニコチノイ

          日本の幼児は、三大農薬漬け〜水道水、野菜、果物の残留農薬の影響か❓〜自給自足カレッジ136

          デトロイトにおける都市の破綻と再生から日本の将来を考える〜Tomorrowーパーマネントライフを探して①〜自給自足カレッジ135

          先週末の自給自足カレッジでの座学では、「Tomorrow〜パーマネントライフを探して」というドキュメンタリー映画の前半部分を見てのディスカッションになりました。 世界の人口が80億人を超えた今、人間による環境破壊や、気候変動、資本主義の行き詰まりといった問題に、女優メラニー・ロランが母親となって直面した自分の子供が生き延びなければならない世界。監督としてもカンヌ国際映画祭で作品が上映されるなど評価が高く、ファッション誌の表紙も飾る女性たちの憧れの存在。そんな彼女が、活動家・

          デトロイトにおける都市の破綻と再生から日本の将来を考える〜Tomorrowーパーマネントライフを探して①〜自給自足カレッジ135

          種の話③〜種苗法改正で農民の権利であった種取りが自由に出来なくなった日本〜自給自足カレッジ第12回座学①〜自給自足カレッジ134

          写真に写っているのは、自給自足カレッジのメインの講師を勤めて頂いている村上眞平さんが、2020年11月に参議院に参考人として、当時の種苗法改正案について、農業者の立場を代弁する形で話しをしているところです。 日本で唯一有機農業を教えている農業高校を運営している全国愛農会の会長及び家族経営で農林水産業を行っている第一次産業従事者の団体=家族農林漁業プラットフォーム•ジャパンの代表の立場で、参考人として参議院の農林部会で、種苗法改正案への反対意見を述べています。 この種苗法改

          種の話③〜種苗法改正で農民の権利であった種取りが自由に出来なくなった日本〜自給自足カレッジ第12回座学①〜自給自足カレッジ134

          種の話②〜日本国内から種が無くなっている❓〜自給自足カレッジ第10回座学③〜自給自足カレッジ133

          今年3月にひっそりと広島県ジーンバンクが広島県の判断により閉鎖されました。 18600種類もの作物の種を保存維持管理してきた貴重な組織が、大きな話題を呼ぶこともなく無くなってしまっています。 一部は国のジーンバンクや研究機関等に種が移管されるようですが、12000種の種は廃棄処分されたようです。 300万円の維持管理費を払いたくない広島県の判断だとの事です。 これらの18600種類の種は全てパテント等がついていない昔から代々各地で受け継がれてきた固定種や伝統種になります。

          種の話②〜日本国内から種が無くなっている❓〜自給自足カレッジ第10回座学③〜自給自足カレッジ133

          江戸農書〜江戸時代は今よりもサステナブルな社会〜明治史観に騙されている現代日本人〜自給自足カレッジ特別講義〜自給自足カレッジ132

          この週末、岡山県総社市から自然農法家の高内実さんに、わざわざ三重県多気町のVISON農園まで来て頂いて、大変貴重な「江戸農書」のお話を自給自足カレッジの受講生有志の為にして頂き、大変有意義な時間を過ごせました。 明治維新以降の否定的な江戸時代の捉え方が、如何に間違っているか。長州、薩摩、による和魂洋才や富国強兵といった明治以降の動きの中で、平和で環境保全型の循環社会を理想的に実現していた江戸時代の実態が、如何に歪めて伝えられてきていたか。 こういう姿が、大変よく分かる本当に

          江戸農書〜江戸時代は今よりもサステナブルな社会〜明治史観に騙されている現代日本人〜自給自足カレッジ特別講義〜自給自足カレッジ132

          種の話①〜遺伝子組換え種〜自給自足カレッジ第10回座学②〜自給自足カレッジ131

          今日は、いきなりショッキングな画像からのスタートですが、ネットで調べると遺伝子組換え作物を食べ続けたラットとして、結構この写真が出てきます。 自給自足カレッジの前回の講義では、講師の村上眞平さんは、「種」の問題を取り上げて、色々と話をしてくれましたが、呆れた話しとして、アメリカは大豆やトウモロコシやジャガイモは遺伝子組換え作物は許容しているのに対して、小麦を遺伝子組換えで栽培する事は禁止しているようです。 理由は、小麦はアメリカ人の主食で、遺伝子組換えを許すリスクが国全体

          種の話①〜遺伝子組換え種〜自給自足カレッジ第10回座学②〜自給自足カレッジ131

          リービッヒの無機栄養説から脱却出来ない現代農業〜自給自足カレッジ第10回座学①〜自給自足カレッジ130

          ドイツ人化学者リービッヒが1840年に唱えた無機栄養説が現代農業の基礎となり、今でも植物の生育に欠かせない必須元素は17種類だとされています。 リービッヒは、当時有力だった腐植栄養説を批判し、有機物は植物を育成する為には必要ない、という事を言った為に、その後の農業の方向性を無機的な化学肥料の開発と使用に向かわせ、いまだにその方向性から逃れられないでいるようです。 しかし、植物の体を構成している元素の種類は50種類以上あると分かってきており、現代農業でいう必須元素の17種類

          リービッヒの無機栄養説から脱却出来ない現代農業〜自給自足カレッジ第10回座学①〜自給自足カレッジ130

          農薬大国日本④〜残留農薬第一位はいちご🍓 自給自足カレッジ第9回座学④〜自給自足カレッジ129

          前回の座学で、講師の村上眞平さんは、残留農薬問題を取り上げています。 その時の資料として使われたのが、米非営利団体エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)が、毎春米国で販売されている青果物で残留農薬が多い12品目を集めた恒例の「ダーティー・ダズン(汚れた12品目)」ランキングです。 表題の写真に使ったのが第一位をずっと守っている「いちご🍓」 この調査はアメリカのケースですが、しっかりと洗うか皮も剥くか等の後に農薬が果肉に残っているかどうかを調べているという事な

          農薬大国日本④〜残留農薬第一位はいちご🍓 自給自足カレッジ第9回座学④〜自給自足カレッジ129

          農薬大国日本③〜普通の農家の除草方法と自然農法の草との付き合い方や考え方の違い〜自給自足カレッジ第9回座学③〜自給自足カレッジ128

          表題の写真は、熊本で無肥料無農薬の自然栽培でみかんを作られている、池田道明さんのみかん農園の様子です。 私も何度かお邪魔していますが、みかんの木以外は草に覆われています。 池田さんのところに行くと少しお手伝いしたりしているのですが、基本的にはみかんの木の周りの背の高い草を刈らずに倒したり、絡まったツル草を解いたりするだけで、草を刈る事もされていません。 みかんの木が、様々な種類の草に囲まれている事で生物多様性が担保されて、時間の経過と共に、様々な虫や鳥の宝庫となり、害虫

          農薬大国日本③〜普通の農家の除草方法と自然農法の草との付き合い方や考え方の違い〜自給自足カレッジ第9回座学③〜自給自足カレッジ128

          農薬大国日本②〜普通の農家の農薬の使い方〜自給自足カレッジ第9回座学②〜自給自足カレッジ127

          先週の自給自足カレッジの座学では、慣行農法(日本の農家の99%が取る方法)において、どういう形で農薬が使われているのかという話を、講師の村上眞平さんから聞きました。 まずは、稲作についてですが、我々自給自足カレッジで行っている稲作(無肥料無農薬自然栽培)と普通の稲作農家(農薬、殺菌剤、除草剤、化学肥料を使う慣行農法)がやっている稲作は、自給自足カレッジで行っている稲作のスケジュールと下記の慣行農法のスケジュールと比較すると、かなり違う事が分かります。 上記の暦を見ると慣行

          農薬大国日本②〜普通の農家の農薬の使い方〜自給自足カレッジ第9回座学②〜自給自足カレッジ127

          農薬大国日本〜劇物か毒物か〜自給自足カレッジ第9回座学〜自給自足カレッジ126

          日本の農薬使用量の国際比較ですが、FAO(国連食慮農業機関)調べでは、農地1ha当たり11.8㎏の農薬を使っています(2018年)。中国や韓国とほぼ近い、世界トップクラスの農薬使用量を誇ります。 その農薬は、激物や毒物指定されていますが、農地では普通に使われています。 このブログの表題用の写真の農薬は、コテツフロアブルという農薬で、一般的に農薬メーカー各社から発売されていますが、激物指定がされています。 激物とは、体重60KGの人が3gから18g飲むと死んでしまうもので

          農薬大国日本〜劇物か毒物か〜自給自足カレッジ第9回座学〜自給自足カレッジ126

          タイタニック化する日本と日本銀行③〜黒田日銀の異常行動〜自給自足カレッジ125

          河村小百合さんは、その著書「日本銀行 我が国に迫る危機」の中で、黒田日銀に対して下記のようなコメントを書いています。 「毎年8月に米国のカンザスシティ連銀が主催するジャクソンホール・シンポジウムのように、主要中央銀行の首脳陣が揃って登壇するカンファレンス等で、日銀のみが登壇者のなかに含まれないケースが近年、目立つようになりました。白川総裁時代でにはなかったことです。これは、黒田日銀の金融政策運営に対する海外主要中央銀行の冷ややかな目線の裏返しであると思えてなりません。」

          タイタニック化する日本と日本銀行③〜黒田日銀の異常行動〜自給自足カレッジ125