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正解のない問題を解くための最初の一歩はキーワード探しだ

【ポイント】

  • キーワードを拾い上げることは概念化の第一歩だが、これに苦手意識を持つ人は多い。

  • キーワードは「連想ゲーム」感覚で増やすことができる。キーワードをひとつ見つけたら、その上下、左右に連なる言葉を連想してみる。

  • 左右では、並列関係にある言葉を連想する。上下では、従属関係にある言葉を連想する。それだけで、数えるほどだったキーワードが数倍に膨れ上がる。

  • キーワードが増えれば概念化の幅は広がり、深さも増す。これが、全体像の把握へとつながる。


以前にも取り上げましたが、キーワードを拾い上げることは概念化の第一歩です。

ビジネスの現場で直面する正解のない問題は多くのビジネスマンを悩ませていますが、最初から難しいことを考えるよりは、身の回りのキーワードを拾い上げることから始めることをお勧めします。

そんなわけで、今回はキーワードの拾い上げについて話をします。


皆さんは、かつて大人気だった連想ゲームというテレビ番組をご存知でしょうか。
1969年4月から1991年3月までNHK総合テレビで放送されていた国民的クイズ番組で、当時はまだ幼かった私も夢中になりました。
以下がゲームのルールです。

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  • 紅組(女性チーム)と白組(男性チーム)の対抗戦。

  • 各組は出題キャプテンと5人のメンバーで構成される。

  • クイズ開始前、各チームのキャプテンに、アシスタントから答えが書かれたメモが渡され、キャプテンはメモを見ながらヒントを出す。

  • 司会は「○○さん(例えば男性チームの解答者)と××さん(例えば女性チームの解答者)で、○○さん!(○○さんが先攻で始めなさいという意味)」と指名する。

  • 指名された解答者のチームのキャプテンが1ワードのヒントを出し、解答者は、そのヒントから連想されるワードを5秒以内で答える。

  • 解答者は解答を1ワードしか答える権利はなく、間違えるか時間切れになれば、相手チームに解答権が移る

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ヒントは自分のチームのキャプテンから出されるものだけではありません。
正解が出るまで何度も解答権が回ってくるのですが、その間の相手チームのヒントや解答者の解答、それに対する観客の反応なども連想を手助けします。ワードが1つ飛び出すたびに、解答者は新たなイメージを連想するわけで、まさに息を飲む「連想ゲーム」が繰り返されるのです。


この連想ゲームの感覚が、概念化に使えます。
「ゴキブリは、1匹いれば100匹いると思え」と言いますが、キーワードも同じです。1つのキーワードの周辺にはいくつものキーワードが潜んでいるのです。それを連想ゲーム感覚で見つけ出すわけです。


連想の基本は、左右と上下です。
左右では、拾い出したキーワードと並列関係にあるキーワードを連想し、上下では、拾い出したキーワードと従属関係にある下位(時には上位)のキーワードを連想します。


拾い出したキーワード = 「メンテナンス性」
左右にあたる、並列関係にあるキーワード =「耐久性」「機動性」「入手利便性」「操作性」…(左右には「機能・性能以外でお客様が期待する提供価値」を想定)
上下にあたる、従属関係にあるキーワード =「メンテナンス体制」「保守部品の保管年数」「業界標準技術が採らされている割合」「現地での部品調達性」「お客様内部のエンジニアに対する教育システム」「マニュアルの充実度」…(上下には「高いメンテナンス性を実現するために必要な要素」を想定)


この例からもおわかりのように、キーワードの連想ゲームは、概念モデルに直結する場合もあります。
そして、会話の中で、このような連想ゲームを繰り返すことで、対象を概念化し、ひいては対象の理解を深めることが可能なのです。

難しく考え込むよりも、まずは身近なところから始めましょう。
それが概念化の秘訣です。



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