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125 話が聞けない・受け取れない(その2)

前回に引き続き、話が聞けない・受け取れないことを深めていきます。

失敗の原因として、(1)先入観を取り上げました。
そのほかに何があるでしょうか?

(2)情報を選ぶ私だけのメガネ
(与えられた情報の中から関心のある情報を選び出すこと)

具体的に書いてみます。
私は、ある日、弟と博多駅で待ち合わせをしました。混雑した状態で、きょろきょろと探すわけですが、視野に入ると「おお!!」と弟がクローズアップされるのです。自分の注意した情報に集中することで、いろんなことが容易になるのです。

「選択的注意」という用語で説明されることもあります。
与えられた情報の中から関心のある情報を選び出すことができる能力のことです。

ところが、私が選択して選ぶ情報は常に正確とも言えないのです。
エコーチェンバーとか、蛸壺化なんて言われたりもします。

私は、自分が注目したい情報に集中するために、他の情報を無視してしまうことがあるのです。結果として、注目している情報以外の情報を見落としてしまったり、誤解したりします。

少し具体的に書いてみます。

コロナが流行を強め、マスク着用が推奨された当初は、私は、一部の人々がマスクを着用しないことにおだやかな抵抗感を持っていました。
やがて、マスクを着用することが当たり前となっていくにつれ、マスクを着用しないことに対する非難の感覚を抱くようになり、マスク着用派としての意見を強化していきました。

SNSやニュースでも、「マスクを着用しない人がバッシングされている記事」に内心で賛同し、「マスク着用がいかに重要か」という意見を述べる医師のツイッターをフォローし、どんどんマスク着用の必要性を私の内部に育てていたのです。

こうして、自分が注目したい情報に集中することを続け、他の情報を無視してしまうことが生じると、自分の意見や見解が正しいと信じる傾向が強まり、他の意見や見解を受け入れることが難しくなります。マスクの非着用派への批判が私の中で大きくなっていったのです。

また、偏見や固定観念が強化され、新しい情報や考え方に対して閉鎖的になってしまうので、マスク非着用につての話は、「合理的でない」「非科学的」と一刀両断するようになったのです。

ちなみに、今になって国がマスク着用の不要を言い始めたので、この先、私の中で逆現象が起きるでしょう。
いつかマスク着用の人が少数派になった段階で、マスク着用をしている人を非難する気持ちが私の中に湧いてくるのではないかと想定しています。

長くなりますが、まとめてみます。

情報を選ぶ私だけのメガネのデメリットは

■情報の偏り:自分が注目する情報に偏りが生じるため、注目しなかった情報や視点を見落としてしまいます。

■判断の歪み:自分が注目した情報に基づいて判断を下すため、偏った判断をしてしまう可能性が高くなります。

■視野の狭窄:自分が注目する対象に集中してしまうため、周囲の情報や状況を見落としてしまいます。

これらのデメリットを克服するためできることはなんでしょう?
思いつくものを挙げていきます。

■複数の視点からの情報収集:情報の偏りを避けるために、複数の情報源や視点から情報を収集し、多角的に情報を見ること。
つまり、友人の幅や情報を得るルートを耕し、多様性を養うことです。
私と異なる意見の人を歓迎するのがとても大切です。

■内省:自分がどのような情報に注目しているかを内省し、自己認識することで、自分の内なる偏りを自己把握することができます。内省を深めることで、偏りを避けるのです。

■トレーニング:瞑想やマインドフルネスは注意をどこに向けているかに自覚的になりやすく、フラットな状態に自分を戻す役に立っています。
これは、練習あるのみかな?と思っています。

そして、話はようやく本題へ進みます。

つづく

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