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7月のうた

蝉の声はまだまばら。
障子に透ける光は午後から白っぽくなって、
うっすら汗ばむ背中とうなじ。
風はどこか遠慮がちに、それでも湿った匂いを運んでくる。
ざらついた小学校の廊下に漏れる声。
並んだホウセンカの植木鉢。
夏休み前の懇談を待つ間、静まり返った校舎に耳をすます。
電車の音。
誰かのスリッパ。
カバンの中で乾いた音を立てる通知表。

夏が、来た。

#エッセイ #夏

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