7月のうた 5 つづき 2019年7月16日 15:58 蝉の声はまだまばら。障子に透ける光は午後から白っぽくなって、うっすら汗ばむ背中とうなじ。風はどこか遠慮がちに、それでも湿った匂いを運んでくる。ざらついた小学校の廊下に漏れる声。並んだホウセンカの植木鉢。夏休み前の懇談を待つ間、静まり返った校舎に耳をすます。電車の音。誰かのスリッパ。カバンの中で乾いた音を立てる通知表。夏が、来た。 #エッセイ #夏 ダウンロード copy #エッセイ #夏 5 いただいたサポートは創作活動、本を作るのに使わせていただきます。 記事をサポート