遣唐使を復活させると日本は復活する?

皆様ご存じの通り、中国の最近の経済成長は目を見張るものがあります。2022/5/31まで上海をロックダウンしていたため多少下振れもしていますが、現状もしたたかですし、将来への投資が素晴らしいと思います。共産党の一党独裁だからできるのかもしれませんが、重要となる分野にしっかりと投資している姿は日本が見習うべきものだと思っております。以下に中国の現状及び投資案件についてまとめてみました。
 
「1.中国の現状」
 
<国富が世界一>
米マッキンゼーは、土地や住宅などの資産から負債を引いた中国の正味資産(国富)が世界の23%を占め、米国を追い抜いたと発表しました。2020年の世界全体の純資産は510兆ドルで2000年の約3倍に膨らみました。国別では中国は120兆ドルと17倍に拡大、シェアは中国が首位の23%、米国17%、日本の7%と続きました。中国の国富は2013年に初めて米国を抜き、2020年には米国の1.3倍に達しました。
 
<米国とは政冷経熱>
中国税関総署が1/14に発表した貿易統計によると、2021年の対米貿易総額は前年比29%増の7556億ドルで過去最大を更新しました。原油の輸入量等が減少した結果、輸出が輸入を上回り、貿易黒字は前年比25%増の3965億ドルとこちらも過去最大です。
 
<インフラ>
中国政府は2021/10/19、5Gに接続しているスマートフォンなどの端末が2021年9月末で4.5億台に達したと発表しました。2020年末には約2億台でしたが、9ヶ月間で2倍強増えました。5G基地局数は約115万か所と6割増えました。
 
「2.将来への投資」
 
<5G、インフラ>
中国共産党は2021/12/27、今後5か年の国家情報化戦略を発表しました。5Gの普及率を2025年に56%に引き上げ国民の利便性を高めます。AIの開発を加速するとともに、人工衛星や監視カメラ、センサーとの連携を深めることで国内の統制を強化します。
 
<中国軍の智能化>
防衛省防衛研究所は2021/10/26、中国の最近の軍事戦略を調査した報告書「中国安全保障レポート2022」を公表しました。AI や無人機を活用し、軍の智能化を急ぐ中国の現状を分析しました。一方、人材育成が追いついていない点などの課題を指摘しております。技術の水準も智能化の構想を満たすレベルにはないと評価しています。 
智能化とは、情報化の次の段階と位置付けられ、AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなど先端技術の軍事分野への応用を指します。
人と機械が一緒に軍を指揮統制する戦争に対応するため組織改革を進めています。検討が進む組織改革として、宇宙軍、ネットワーク軍、電子軍などの創設を挙げました。陸海空の従来領域と、宇宙など新領域を一体化し統合作戦を立て、新たな軍隊を作り伝統的な軍隊構造を放棄する必要性も提起されています。
 
<ロボットによる産業革命>
中国政府は2021/12/28、今後5カ年のロボット産業発展計画を発表しました。2025年までに世界の先進レベルに追いつき、同産業全体の売上高成長率で年率20%超を目標に掲げました。2020年の売上高は1000億元に達しましたが、基礎的な技術力や高い技術水準を備えた製品の生産に弱みがあることからロボット産業の技術革新の能力を高めることを目標にしました。具体的には大手企業を中心に再編統合を支援し国際競争力を高める、産学官の連携を強化して材料や中核部品などのレベル向上を目指し金融支援も行う、米中対立で経済安全保障の観点が重要になっていることからサプライチェーンの多元化も進めます。
ロボットを工業、サービス、特殊型の3分類で成長戦略を示しました。工業ロボットでは、自動車、航空宇宙、交通、半導体など製造分野を中心に開発します。サービス型ロボットでは、手術などの医療用のほか農業、工業、建築現場向けなどを強化します。特殊ロボットでは暴動対応や治安向けなどに注力します。
 
上記をまとめてみて、日本のプレゼンスが下がっていること、中国のプレゼンスが上がっているのは理由があってのことだなと改めて実感しました。日本には中国のしたたかさも将来に対する投資もありません。
日本は太古の昔、遣唐使の時代から中国からの文化、学問、物資等を輸入することで発展してきました。江戸幕府以降は欧米からの輸入に切り替えましたが、再度中国を含めアジアから良い点を輸入することが日本の復活につながるかもしれません。


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