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旅立ち【エッセイ】六〇〇字

TOP画像:東京新聞から

早大エクステンション「エッセイ教室」春講座。六回目(全八回)のお題、「自由題」。ただし、テーマは「旅」に思う。直接的な「旅」の内容ではないが、最近の出来事を旅に絡めて書いてみました。

 還暦前から十五年、八千歩ウォーキングが日課だった。が、左下肢が痛み始める。検査すると、脊柱管狭窄症。原因は、加齢・・・。
 三年間、軟禁状態だったわけだから、人様並みに遠方まで出かけたい。しかし、長い時間、歩けない身体になってしまった。二か月前まで、自宅から青山までの四千歩の距離を歩いて往復していたのが、できない・・・。これからというときに、それはないよなあ・・・と落ち込んだ。食欲がなくなり、体重まで落ちてくる。
 そんな時、東京新聞の夕刊で、両脚を失ったにも関わらずパリ・コレクションにモデルとして舞台に立った女性のことを、知る。葦原みゅうさん、二十五歳。彼女は、常に前向きに、力強く車輪を回している。たかだか片脚が痛むだけで、食が進まなくなるとは。不自由ではあるが両脚で歩けないことはない。なのに、なんとも無様であることか。恥じた。
 で、一念発起。二十年前に三年通っていたジムに通い始める。医者の話では、太腿と背中の筋肉を増強することで痛みが緩和するらしい。自転車を漕ぐのも、同じ部位の強化につながるという。さっそくロードバイクを、購入。折畳式なので、車に積んで旅先でも周辺の景色を楽しむこともできる。急に食欲も出てきた。逆に、体重が増え始める。行動半径が拡がり、リハビリにもなり、ダイエット効果も。「一挙三得」。
 さあ、ペダルを踏んで出かけよう。みゅうさんは、パリにまで、行ったのだから。

(おまけ)
「週刊朝日」が101年の歴史に幕を下ろした。

朝日新聞朝刊(5月30日)

「天声人語」で触れている表紙。各人各様に「週刊朝日」スピリットを演じているのがおもしろい。「またネ!」
(私の学生時代は、「朝日ジャーナル」でしたけどね)

「週刊朝日」最終号

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